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あっせん作業において中労委が誠実団交の再開を口頭提案

日赤労働者723号



労使双方提案を受け団交再開へ


 二〇〇三年賃金交渉で、本社は「賃下げ四月実施を認めるかさもなくば人勧準拠を協定化せよ」と迫り、組合がそれを認めないからとして協定の破棄通告を行いました。このような不誠実な対応を改めさせるため、中央労働委員会に「あっせん申請」を行ない、七月二五日に事務局によるあっせん作業が行われました。
 あっせん作業は午後一時より始まり、全日赤からは、経緯を含め人勧準拠を押しつけ白紙委任を迫る本社の不当な態度を訴えました。本社は今までも賃金は人勧準拠で行ってきたかのように事実をゆがめ、賃金引下げは当然であり交渉は尽くしていると主張しました。それに対して、全日赤は賃金引下げと言われても具体的提案がなければ交渉にならないこと、今までの交渉では具体的回答を示さず、ただ人勧に白紙委任することを繰り返すのみで、全く不誠実であることを合わせて反論しました。
 続いて同じように申請していた日赤労組と本社同席で事情聴取が行われた後、午後五時半ごろに中労委から「あっせん作業を一時中断して団交再開をするよう」打診を受けました。全日赤は団交をしても本社が同じような対応では意味がないこと。誠実に交渉を尽くすので有れば協定破棄を撤回すべきとの意見を述べました。中労委からは「本社には『具体的回答をしない今の対応は誠実とは言えない』ことを言ってあるから、協定破棄の撤回については中労委に預けた形で、自主決着に向けた団交を再開してもらいたい」との説明があったので、全日赤は自主回答・自主決着を行うことを尊重し、提案を受けることにしました。午後六時すぎに全日赤と日赤労組および本社が同席する席上で中労委の事務局長から口頭での左記提案があり、三者ともこれを受諾することを表明しました。
 口頭提案は、本社が今まで誠実に交渉を重ねてきたという主張を退け、本社に対し全日赤の申請事項である誠実団交の開催を求めたものです。また本社が「もともとの人勧準拠にもどす」と主張したことに対しては、人勧を参考とすることがあっても、白紙委任を迫ることなく具体的回答を示し交渉すべきであると、人勧準拠を押しつけることを否定し、自主回答・自主決着を求めた全日赤主張が認められたものです。
 定期大会で決定した方針に基づき、全国から本社に対して、「協定破棄を撤回し、誠実に団体交渉を開いて具体的回答を示せ」の声を届ける取り組みの強化が必要です。
 全日赤は、再開される団交のなかで「協定破棄の撤回をおこなうことが誠意ある交渉である」ことを追及するとともに、出されるであろう日赤としての具体的賃金回答については、引下げ反対と特に四月にさかのぼって引下げることを許さない態度で臨みます。


中労委口頭提案

「日本赤十字社労使は、平成15年度賃金について、具体的回答ができる時期であることも踏まえ、平成15年度賃金に係る自主交渉を再開し、無協定状態にならないよう早期に解決を図られるよう誠実に努力すること。以上のことについて労使の合意が得られるのであれば、当あっせん作業は暫時中断する。」




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