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二〇〇三秋年末闘争 本社統制打破・単組交渉権の確保のために

日赤労働者727号



 近年、一時金闘争において、各施設は「本社統制」を口にしなくなり「世間並み・人勧準拠」を理由に、本社どおりの回答をするようになっています。全日赤は、この明らかな本社統制を打ち破るために「本部本社間で一時金の最低基準を決めて、その後の単組施設の交渉には統制介入しないこと」を要求にし本社を追及してきました。
 本社は、賃金引き下げの遡及を一時金で行えるよう「賃金協定第三五を改定し、一時金は社長決定とする」よう提案し、一一月五日の団体交渉では、私たちの要求を聞き入れず、単組交渉権を剥奪することを改めて表明しました。全日赤は抗議のため一一月七日に統一ストを決行するとともに、この本社態度を変えさせるために一一月二八日の第二次統一ストを背景に各施設から本社へ上申させる取り組みを展開してきました。しかし本社は態度を変えず、全日赤の要求である「一時金における単組交渉権の確保」を前提とした交渉を行えませんでした。
 各施設においては、本社統制が徹底される中で「中央で決めれてくれれば楽になる」と投げやりになっていますが、中には施設裁量権を奪われることに対して憤りを感じている施設長もいることが明らかになっています。交渉のなかで、「日赤が中央集権化になれば病院は衰退するので同業他社の経営者が喜んでいる」と嘆きの声を発する経営者もいました。施設を経営する上で職員の労働意欲をいかに高めるかが重要であり、労働者の意見を聞いて労働条件を決められる施設裁量権を確保することを施設長としても認識し、本社に上申すべきです。全日赤は「単組交渉権の確保」のため引き続き本社を追及するとともに施設長の経営者としての責任を追及します。

一時金交渉たたかって攻撃を跳ね返す

 本社は、「賃金協定第三五改定の提案をしているが、今年の年末は従来どおり」とし、第一義的に施設が決定することを認めながらも、一〇月三一日に、二・四ヶ月の本社通知を出しました。また、一〇月八日の賃金協定第三五についての団交において、一時金を社長決定とすることを前提に具体的な交渉課題を示しました。その内容には、(1)一時金の+αは、経過措置は講じるが、見直しを行い無くすべきもの。(2)勤勉手当(三割)の懲戒処分による査定は、現在は社長任命職員だけだが、全職員に対象を広げる。また勤務成績を勘案した配分も取り入れる。(3)傾斜配分の加算率は以内でなく、規定通りにする。という今までの単組施設間交渉で積み上げた労使関係を無視したものとなっています。
 各施設での一時金回答は、人事院勧告および本社通知どおりの二・四ヶ月(〇・二五ヶ月削減)の月数がほとんどである中で、川西病院では二・〇ヶ月の回答が出されました。この回答に単組は怒りをもって抗議し、全国からの病院への抗議FAXを集中させるなかで、越年も辞さない構えで独自ストの準備も進めています。
 また、本社が示した社長決定とするための課題については、各施設とも本社の考え方に沿った形で回答してきています。一律部分の削減を推し進める一方で、傾斜配分を完全実施に移行する施設も出ていますし、医療センターでは勤務評定による一時金の査定を行おうとしました。本社追及と単組の施設追及によって医療センターの目論見は粉砕し「勤務評価は行うが、一時金の査定はしない」と攻撃を押し戻すことができました。
 一律部分においても、たたかいによって削減幅を縮小させた単組もあり、たたかうことで攻撃を食止めています。厳しい情勢のもと要求実現には、まだまだ大きな力が必要ですが、あきらめてたたかうことを止めれば、働く者の生活や労働条件はもとより、医療改悪にも繋がりかねません。引き続きがんばりましょう。





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