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なっちゃんとうちゃんのなぜなぜ問答

日赤労働者729号



賃金協定第35問題

なっちゃん:全日赤がビラで書いてる「賃金協定第35」てなに?
とうちゃん:賃金協定は賃金についての労使の約束事で、第35は一時金の決定方法を決めたもんや
なっちゃん:なにが問題なの?
とうちゃん:一時金は院長や所長、園長など施設長が決めるとしていたものを本社社長が決めることに変えたいと言い出したんや
なっちゃん:賃金は本社で決めるんだから一時金も本社で決めれば良いのでは?
とうちゃん:賃金は本社と全日赤が交渉して決まるんやで。でも組合員一人一人が直接本社に「賃金上げて」て言いに行かれへんやろ。だから賃上げ署名とかするんやけど。そやけど一時金は、それぞれの施設の団体交渉で職場の大変さを訴えたりして交渉した結イラスト果決められるんや。自分らで一時金を決められるんや、すごいことやろ。
なっちゃん:でも今までも、本社がうるさく言って、かってに決められなかったじゃん
とうちゃん:そやから全日赤は、その本社統制を止めさせるために「最低基準づくり」の要求をしてきたんや。「一時金の月数、一律額の最低基準を、夏期、年末一時金ともに全日赤本部・本社間で交渉により決定すること。(1)全施設がこの最低基準をもとに、施設労使間で自主的に交渉・決定すること。(2)本社は、施設長への統制や施設労使間交渉に介入しないこと」
なっちゃん:本社は要求に対して、どう答えているの?
とうちゃん:今までは「最低基準づくりは話にならない。施設長が決めればよい」と言ってたんや。
なっちゃん:なぜ急に社長が決めたいと言い出したの?
とうちゃん:いろいろ理由を言うてるけど、本当の狙いは「賃金引き下げの年間調整」をするためなんや。秋に賃金が確定し、賃下げとなったら4月から払いすぎた分を一時金から差し引くいうことや。全日赤は賃下げになっても年間調整はさせんかったけど、本社はそれが気にくわんのや。年間調整を一斉にするためには今の賃金協定第35がじゃまやというこっちゃ。
なっちゃん:そんなこと許せないわ!
とうちゃん:それだけとちゃうで、社長が決めるものとして、一律は無くしていくとか勤務成績で一時金に差をつけるいうことも言うてんねん。
なっちゃん:よく働いた人がたくさんもらえるのは当然じゃないですか
とうちゃん:正しく評価されるかが問題だけど、人が人を評価する限りにおいては感情がどうしても入る。まして相対評価で「必ず引き下げる」人を作らないといけないとなると、みんながんばっているのに変やん。
なっちゃん:上司にゴマする人が出てくるかもね。
とうちゃん:そうや、医療事故を起こさないためにもチームワークが大切やのに、それを乱すだけや。もっと言いたいことがあるけど今度にするわ。

単組交渉権の確保

とうちゃん:それと重要なことは、施設の交渉で一時金が決められなくなることや。単組交渉権は確保せなあかん
なっちゃん:単組交渉権て団交とは違うものなの?他の要求での団交はできるんでしょ。
とうちゃん:団交はできるけど、他の要求が通らなくなることが予想できるわな。一時金の要求は、全ての人に関わるから団交への参加者も多いし、職員の関心も高いやろ。それに一時金はあんまり遅らせることがでけへんから、一時金の決着を図るために他の要求も聞き入れられることってあるやろ。
なっちゃん:そうだよね。それじゃ施設長は楽になるよね。
とうちゃん:けどそれって無責任な態度やと思えへんか。一時金は地域性を考慮して、例えば近隣の病院より見劣りするようであれば就職希望者が集まらないなどあり、独自に決められるようになってたのに、また直接雇用しているものの労働意欲とか、労働組合との関係とか、どないするつもりやろ。
なっちゃん:ほんまやね。
とうちゃん:働く者を大事にしない施設は、衰えると言われてるけど、現に日赤以外の公的病院では「日赤が中央集権化になれば病院は衰退するので喜んでいる」とささやいている所もあるらしいで。
なっちゃん:それはえらいこっちゃ
とうちゃん:日赤病院の院長の中でも本社のやり方に腹立てていはる人もいるみたいやけど、やっぱり公的病院の責任者としては、安全・安心の医療・福祉・血液事業を展開できるよう責任もってやってほしいな。
 全日赤は「施設決定権を残して、交渉権の確保」を本社に迫っていこうと思っているんや。がんばるで。
なっちゃん:わたしもがんばるわ。
とうちゃん:ところで関西弁になってるで。

 




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