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賃上げ回答なし  勤務評定導入反対で3・18スト決行

日赤労働者731号



 全日赤は、三月十六日午前十時半から本社と春闘統一要求について交渉を持ちました。
 本社は私たちの要求『本俸一律一万円の賃上げと体系是正をあわせた二万七千円以上の引き上げ』には全く答えようとせず、「情勢は厳しい。連合はベアの要求も見送った。世間並みの水準を確保する。これから動向を見ていく」と言うのみでした。全日赤の「定期昇給はするのか」の追及に対しては「例年どおり行う」と回答しました。
 しかし統一要求である「新たな差別・分断をもたらす勤務評定や能力給・成果主義賃金などを導入しないこと」に対しては、「成果主義賃金はまだ研究中であるが、能力評価は必要だと考えている。その評価を一時金や特別昇給に反映させたい」と要求に真っ向から対立する考えを示しました。
 全日赤は、本社の賃上げ要求に対して有額回答を行わない態度に抗議するとともに勤務評定導入阻止のため三月十八日に日勤始業時から一時間の全国統一ストライキを決行しました。

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八〇〇〇名総決起集会

 三月十八日の統一行動はストライキを含め、全組合員が春闘の意思統一を図ることを目的に八〇〇〇名総決起集会を行うことを中央委員会で決定し、二十四日までに達成するよう各単組創意工夫をこらした行動を展開しています。結果としては、約一六〇〇名(三月三十一日現在点検数)と目標数には届かなかったものの単組によっては運動面での成果を上げています。その一つとして大津単組での取り組みを紹介します。

 大津単組では「七〇〇人集会」を二月十七日から開始し、三月十六日までの一か月間で二十六回、のべ一七六人が集会に参加しています。どこの職場も忙し過ぎて「職場集会をしよう」というかけ声だけではなかなか集まれないのが実状です。大津の「七〇〇人集会」は執行部が職場に出向いていくことから始まりました。
 まず、執行部はペアを組んで順番に職場を訪問します。役員が一方的に話をする集会にならないように気をつけて、一つの職場につき一週間(回数でいうと3〜4回)かけて訪問します。一回目の訪問はレジュメを持参して大まかに情勢の報告(今のままでは単組の団交がなくなる?等)をします。二回目以降はひたすら職場の話を聞いていきます。
 職場の反応は、はじめは冷ややかで「十分ぐらいで終わって下さい」と言われたりもします。でもめげずに通い続けるうちに「こんなこと言ってもいいですか」と意見が出てくるようになってきます。「ゴム便器が汚くて、使っているうちに空気が抜けてくる。今どきもっといいものも出てるんじゃないの」とか「持ち運べるSaO2 (酸素飽和度)測定器が病棟に一台しかなく、夜勤の巡回で困っている」などなど、そこからそのまま職場要求にしたものもあります。
 取り組んだ執行部のSさんは、「組合員との対話が大事とよく言われるが、集会で組合員一人ひとりの顔がよく見えてくるようになった。みんな『おかしいな』と思っていたり、疑問に思っていることがあるんだということがわかってきた。それでも職場の問題に対してまだまだ他人任せ、執行部任せになっている雰囲気はあるので、これからも続けていきたい」と七〇〇人集会の感想とこれからの抱負を話してくれました。

4・15統一ストライキ準備を

 賃金や一時金の削減などで、働く者の実収入は減る一方です。その上本社の調査では、日赤全体の時間外労働は一人月平均たったの七時間と言っています。賃金を下げられながら、時間外手当を請求せずに働いた結果が日赤全体の赤字を解消傾向に変え、血液事業は一三億円の黒字となっているのです。本社が今しなければならないことは、世間の動向を見る前に職員の労働実態や生活に見合った賃上げ回答をすることです。日赤職員六万人の生活を守ってこそ、日赤事業も正常に運営され発展していくのです。
 本社に職員の労働実態や生活実態を分からせるために「賃上げ署名」や寄書きで生の声を本社に届けましょう。また施設内世論を高め施設長からも上申させましょう。
 全日赤では、四月十五日に第二次全国統一ストライキを配置して、賃上げ回答や諸手当改善を含む春闘要求実現と勤務評定の導入阻止のため本社・施設を追及します。また四月十五日は、全労連および日本医労連の統一行動に結集し年金改悪阻止など国民春闘勝利をめざすものです。




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