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城崎にて憲法を語る
近畿地方協中高年者集会

日赤労働者736号



写真 七月一四〜一五日、うだるような暑さの城崎温泉において、かねてより懸案の課題であった地方協中高年者集会がついに開催されました。近畿で初の企画となったこの集会には、長浜、大津、京二、大阪の四単組から十名の退職者(いずれも歴戦の勇士たち)と五名の現役が参加。三々五々集まった面々は外湯巡りを楽しんだ後、夕食交流会でそれぞれの近況報告を行い、大いに旧交を温め合いました。そして翌日の朝からは「憲法を語る会」が開催されました。冒頭、土井前中央執行委員長が日本国憲法を巡る現下の情勢について講演し、その後、参加者からそれぞれ自己の体験をとおして、日本国憲法や平和についてリレートークが行われました。
 「私は中一の時、当時の文部省が発行した『あたらしい憲法のはなし』を教科書として主権在民や平和憲法について学んだ。あの時の感動は忘れない。今、戦争の足音が近づいてきて、とても不安だ。絶対に戦争はアカンと広げていきたい」、「昭和3年生まれの自分は、日本が戦争に負けて国民主権になったときのことが忘れられない。それまでは日本が絶対戦争に勝つ、天皇のためならば死ねると思っていた軍国少女だった。敗戦後の飢餓状態、その悲惨さは決して忘れることはできない。日頃の生活の問題から憲法について話すことが大切だと思う」、「中二で終戦を迎えた。戦争中は工場で戦闘機の補助翼を作っていた。一億玉砕というけれど、みんな死んでしまったら、天皇のご飯はだれがつくるのだろうなどと思っていた。弟が学童疎開から帰ってきた時にはガリガリにやせ細っていた。シラミ退治に追われていた。もっと早く戦争が終わっていたら、大人たちは戦争が終わってからあれこれ言い出した。なんでもっと早く言わなかったのだろうと思っていた」、「子どものころ、陸軍大将や総理大臣になるのが夢で、早く兵隊になりたいと思っていた。そんなことを言うと母が泣いていたのを思い出す。退職後は、原水協の役員をしながら平和の草の根運動にとりくんでいる」、「イロイロ理屈を言うより、松代の大本営跡や無言館を一度は実際に見るべきと思う」等々、時には涙で声をつまらせながら、戦争体験や平和への思いを語り合いました。そして参加者からは「憲法改悪反対の署名など、草の根からの運動を広げていこう」、「日赤にも『九条の会』をつくろう」、「退職者からも全国の仲間たちに平和への思いを、憲法を守る思いを、大いに発信していこう」との積極的意見がだされました。実に頼もしく、元気いっぱいのOB・OGのみなさんでした。

 




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