JRCSWU

本社より2つの提案
全社的福利厚生事業等の構築および保険料負担割合見直し

日赤労働者739号



 本社より「福利厚生事業について提案があるの団交をしてほしい」との申し入れがあり、十月十三日に団体交渉が行なわれました。
 本社提案は大きく分けて二つでした。(1)全社的福利厚生事業の構築および新たな休業補償制度の実施、(2)健康保険料の負担割合の見直しです。提案理由は、「現在、日赤としての統一した福利厚生制度がなく各施設毎の取扱いとなっており、それぞれの実施水準には大きな格差がある。職員処遇の一体性を確保するとともに5万人を越える職員のスケールメリットを活かした仕組みを構築したい。併せて特別見舞金制度や健康保険の負担割合について、法律の趣旨に添った形に見直したい」というものでした。

 要約すれば健康保険料の労働者負担を増やす代わりに、福利厚生事業を新たに展開するということです。しかし提案された事業内容は、利用しない限り労働者には恩恵のあるものではありませんでした。全日赤中央執行委員会は、議論した結果、本社提案を二つの問題として整理し追及することにしました。

 一つは健康保険料の見直しですが、健康保険法には「政府管掌保険の保険料は事業主が二分の一を負担する」と明記されていますが、過去の経緯から日赤においては現在、事業主負担は労働者負担よりも千分の十三多くなっています。税法上においても法律を上回って支払っている額は「賃金」であると指摘もされ始めている中で、法の趣旨に沿ったものにせざるをえないと判断しました。一方で健康保険法には健康保険組合の負担割合は折半でなくても良いとされていますので、政府管掌保険から抜けて日赤の健康保険組合を作ることを追及します。しかし簡単には作れないことも理解しますので、その間は政府管掌保険で保険料負担を二分の一とすることに合意します。ただし労働者負担が増えることに対しては賃金として支払うことを含め何らかの処置を行なうよう要求します。

 二つめは、別の課題として福利厚生事業の構築および新たな休業補償制度の問題を協議することにします。全日赤の追及点は(1)全社的福利厚生事業の構築を行なうことは賛成であるが、財源は施設および本社が負担とすること。(2)全社的福利厚生事業は、日赤における最低基準として位置付け、それを上回る各施設の福利厚生事業について認めること。(3)実施項目において雇用形態による違いがあっても良いが、対象職員は正規職員だけでなく全職員とすること。(4)全社的福利厚生事業の内容については、労使で協議し決定すること。また、新たな休業制度に関しては、元々、全日赤は、特別見舞金制度は脱法行為であるとの見解から協定化していません。特別見舞金を廃止することには賛成です。賃金として支払うことを基本にしながら、合法的な所得補償を行なうことを追及します。

 十月二六日の団交では、労働者の負担が増えることについての全日赤の追及に対して、本社は「激変措置をとる」との考え方を示しました。また永年勤続での額を増額するなどの再提案も行なっています。引き続き全日赤は、施設の実態調査を行ないながら十一月十八日の単組・地方協代表者会議で問題点を整理し本社と交渉していきます。




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