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日赤労働者739号



 虐待する親の四割近くは、自分自身が虐待を受けて心理的な屈折があり、その傷を取り除く事は難しいと言われている。虐待のトラウマは鮮度をおとさず保存され、ある時、再生される。▼かわいがられた事のない親は、かわいがり方を知らない事から不適切な養育としての虐待という現象につながる。▼乳児院にも被虐待児の入所が増えている。心理的・身体的虐待を受けた子ども達の心のケアーをする為に、職員は愛着関係を作り、情緒の安定へと日夜関わっている。▼一方で育てにくい、躾けにくい、言う事を聞かないなどが溜まり、ガマンするという感情のコントロールができなくなり、ブレーキをかけられなくなる親に、どう向きあっていくかも課題のひとつである。▼また虐待を管轄する児童相談所においては、一人百件以上のケースを抱え対応に追いついていかないのが現状である。厚労省は、やっと個別対応職員の常勤化の配置を打ち出した。▼今、児童相談所、施設の個別対応職員、児童の担当職員、地域が連携して包括的なプログラムを立てながら、親の相談を含め持続的なケアーをしていく事が急務となっている。併せて児童相談所、福祉施設、保育所、学校等では、心のつながりを持って、健全な人間を育てていけるよう充分な人員配置が必要とされている。




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