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本社統制をはね除ける単組のたたかいが重要 秋年末闘争

日赤労働者740号



 二〇〇四年秋年末闘争において、一時金の決定は、従来通り賃金協定第三五に則り施設長が第一義的に決定するものです。しかし本社統制をおこなっていることは明らかであり本部本社間団交では、本社統制を行なわないよう追及しました。その結果、本社から言質を取り各施設長の責任を明確にさせました。
 また本社が提案している全社的福利厚生事業についても本社統制の強化に繋がらないようにするため各施設の弾力的運用を認めるように追及しています。その交渉のなかで現在行なっている各施設の福利厚生事業については「各施設が判断する」ものであること回答させています。

一時金の一律支給は
給与要綱に反しない

 十一月十日の回答指定日に本部本社間団交を行ない一時金をはじめとする全日赤秋年末統一要求について交渉しました。本社は「一時金の決定は従来どおり給与要綱第三五に従って行なう」と全日赤の追及から逃げようとしました。しかし全日赤はそれを許さず追及した結果、今までにない表現で本社統制を否定しました。また年末年始手当についても本社が指導しているが施設交渉によるものであることを明確にしました。
 全日赤は次の本社回答を活かして施設追及を行なうことにしました。
○一律支給は給与要綱に反しない
○単組・施設間の交渉で合意し、社長承認を受けた一律まで削減するように指導したことはない
○本社の考えに合わないからと言って承認しないということはない
○一律を新たに支給する場合も給与要綱第三五に従っておこなう
○勤務評定による査定は本社冬期一時金参考資料にも記載されていない
○年末年始手当をゼロにしろとは言っていない

嘱託職員等の処遇に関して

 全日赤は、嘱託、臨時・パート職員等の処遇に関して、同一労働同一賃金の原則からあまりにもかけ離れた実態を改善するため、全国的重点課題として位置付け取り組みを進めています。一時金での取扱いも同様にするよう要求していますが、賃金や諸条件についても改善を求めるものです。取り分け住居手当が支払われていない問題が多くの単組から指摘されています。
 嘱託、臨時・パート職員等の賃金・労働条件は各施設が決めることになっているにもかかわらず、施設長は「本社の嘱託職員等就業規則参考例に無いものは出せない」と言っていることが判明しています。本部本社間団交で追及した結果、本社は「施設長が決めるべきもの。参考例にないからダメだとは言っていない」と回答させました。

地方協を軸にした統一行動を
背景に施設追及を

 回答指定日の翌日は本部の都合により時間外決起集会としましたが、以後のたたかい方として本部本社間交渉での本社回答を活かして、施設追及を強めることにしました。そのために統一ストライキの配置も十一月二十四日から二十六日のゾーンとして各単組の交渉が行ないやすいようにしました。また十一月二十九日以降には決着をめざして地方協統一ストライキも配置するようにしています。

全社的福利厚生事業等について

 十月十三日に提案されて以来、交渉を重ねてきましたが、本社はそのたびに内容を改善して提案し直してきました。全日赤は十一月十九日の医労連中央行動と連動して十八日に単組・地方協代表者会議を開催し、到達点と問題点を整理して今後の対応について意思統一しました。
 本部からは、第一次提案から前進した項目として、(1)健康保険料見直しに対して激変緩和措置を取らせた、(2)福利厚生事業の対象者を一部嘱託職員等にも適用させた、(3)出産祝金を一万から三万に増額させた、(4)永年勤続記念では二十年、三十年の金額を五万円と七万円に増額させ、さらに十年で三万円を追加させたこと、などが到達点として報告されました。
 また問題点として、本社指導により現在各施設が行なっている福利厚生事業が引下げられることが明らかになり、追及はしているが各施設の弾力的運用範囲が本社事業の三十%の範囲内であることや産前産後休暇の補償が引き下がることが参加者からも指摘されました。
 提案に対して拒否するものではないが賛成しかねる部分が多いことや本社統制が強化されることへの懸念から交渉を続けることが求められました。

単組施設合意は尊重する

 全日赤本部は、単組・地方協代表者会議の意思統一に基づき、十一月二十四日に本社と団体交渉を行ないました。本社最終提案を変えさせるには到りませんでしたが、慶弔見舞金での支給条件の改善に対する回答など具体的内容が示されていない項目もあり、引き続き交渉をおこなうことになりました。交渉のなかで、現在行なっている各施設の福利厚生に関して「労使合意は尊重されるべきである」また「互助会等の規定改定は互助会等が行なうもの」と本社に回答させています。




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