JRCSWU

みんなで力を合わせて取り組む連続組織拡大 医療センター単組

日赤労働者741号



 医療センターでは二〇〇四年一一月現在、連続組織拡大九か月を達成しています。
 皆さんもご存知のように医療センターは本社直轄施設、労務管理も合理化も他の施設の比ではありません。そんなことで長い間「拡大は困難」と言われてきました。ところが今年度に入ってからみんなの努力で三カ年計画を早々とクリアし、現在は新たな目標(三ケタ?)に向かって頑張っています。
 一二月某日、夕方の執行委員会に参加するため組合事務所に集まっておられる皆さんに「なぜ、連続拡大ができたのか」その秘密と苦労話などを伺いました。
〈取材に応じてくださった医療センターの皆さん〉
岩沢光子さん(執行委員長)、坂本真起子さん・伊藤栄江さん(副執行委員長)、高橋多鶴子さん(書記次長)、西内明子さん・植松雅代さん(組織部)、秀浦小枝子さん(財政部)、山口友理枝さん(組合員)以下敬称略

始まりは「危機感」

坂本:大会でみんなの前で連続拡大を宣言して、それが組織部ニュースに載ったことが始まりかな。
岩沢:危機感です。私たちが辞めたらどうなってしまうかと考えた時、まさに存亡の危機だと。(拡大を)連続させるのは本当に大変、でもそれがカセになっているから行動できるところもあるの。今日も忙しかったから明日でいいわ〜なんて言っていたらいつまでも増えないから。
― 担当者だけじゃなくて、みんなで拡大に頑張っていますよね。
岩沢:組合に入った人を紹介する『書記局ニュース』を出しているので、それを読んだ人から「あの人入りそうよ」とすぐ話題になるんです。

頼りになる「組合の存在」

秀浦:岩沢さんや植松さんの人脈はすごいんです。ママさんナースが今いじめられていて、その声を持って行く場所がなくてみんな相談に来るんですよ。
岩沢:宮代ハウス(看護師寮)の立ち退き問題でも担当者を決めてアンケートに取り組んでいるの。
坂本:メールを駆使して組合員同士の連絡を密にし、ひとりぼっちのお母さんをつくらないようにしています。以前は入れたい人、入れたくない人、とこっちで選んでいる感じがあったけれど今は院長、事務長、看護部長以外は全部対象者。
西内:最近では「何であの人が入って、私には声をかけてくれないの」という声もあるんですよ。
伊藤:看護部をはじめとして上司の締め付けやいじめも激しいから、そんな人たちのかけ込み寺になっているよね。
岩沢:合理化が目に見える形で入ってきているから、相談にのって一緒に運動をと呼びかける中で拡大につながるんだと思う。
坂本:実を結んでいないケースもいっぱいあるけれど。

「ほっとする」仲間と一緒に

西内:書記局に来てああでもないこうでもないと言い合うのが楽しい。気を使わないで安心して話せる場所になっていて、みんなの顔を見るとほっとするんです。
岩沢:新しい人たちが入ると私たちも元気になるから、頑張れますね。
植松:ここでみんな元気になるんです。(組合員の)元気がない病院はどうなってしまうでしょうね。
坂本:今は職場が本当に厳しいから、妊娠判明時の夜勤制限の話をすると「他の人の夜勤が増えるのね」という意見も出る。増員して、みんなが八日夜勤になるようにしたいと思う。今のままでは夜勤ができないナースは辞めていくしかなくなってしまう。
植松:言いたいことも言えない、何もものが言えない職場にはしたくないですから。後手に回る運動が多かったけど、今度からは先手で行きたいですね。

〔取材後記〕
 「要求は職場にある」と言います。医療センター連続拡大の背景に「組合存亡の危機」があったというのは事実ですが、それだけではなく職場の要求に機敏に対応して行動していく中での連続拡大だったと思います。「職場要求を基礎にたたかう」必要性、これは組合役員なら誰もが知っていることかもしれませんが、どこまでそれを貫くのかということがいかに大切かを示しています。
 医療センターでは一人の組合員を増やすために何人、何十人もの職員に何回も加入をよびかけています。組合に入るまであきらめず、声をかけ続けるねばり強さはさすがです。
 そして「職場要求」と「ねばり強さ」を支えている「仲間」の存在は重要です。何でも話せて頼りになる執行部の存在は、そのまま労働組合のイメージに重なります。だからこそ組合員だけでなくまだ加入していない人たちも信頼を寄せ、運動の輪が広がっていくのです。
 職場で起こっている様々な問題に立ち向かっていくために組織拡大は欠かせない課題です。厚労省の押し進める低医療費政策のもと、営利を追求するあまり働く者を粗末に扱う経営方針がまかり通っています。本社統制による賃金・労働条件切り下げなどの攻撃、仕事の厳しさに加え、高年者・妊産婦などに対する弱い者いじめに見られるようなものも言えない、言わない職場づくりが進められています。どれをとっても組織拡大の客観的情勢は十分に熟しています。「職員の悩みや苦しみのあるところに労働組合あり」今どれだけの人が組織拡大のための行動に足を踏み出せるかが重要になっています。




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