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人間らしく働くために たたかう春闘方針を決定
全日赤2004年度第1回中央委員会開催

日赤労働者743号



 全日赤は、二〇〇五年二月五日から六日にかけて千葉・幕張において中央委員会を開催し、全国から四三単組、中央委員・オブザーバー・執行部等八六名が参加しました。中央委員会では、不払い・サービス残業の一掃・長時間労働を無くす為の増員、二交替制反対など人間らしく働くための春闘要求と春闘方針を満場一致で決定しました。また全社的福利厚生事業等の本社提案に合意することを賛成多数で決定しました。

賃上げ要求二万八千円
 中央委員会は、昨年末での一時金闘争の総括を行ない、統一闘争の重要性とたたかえば必ず要求は前進することを確認し合いました。そして〇五春闘でも要求を高くかかげてたたかうを意思統一しました。賃上げ要求は「本俸一律一万円の賃上げと体系是正を合わせて、二万八千円以上引き上げること」とし、回答指定日の翌日である三月十七日には、時限ストライキを構えて要求前進を追及します。

最低賃金協定で 賃金の引き上げを
 春闘五〇周年にあたる〇五春闘では、全労連の「統一要請書」を全単組・支部で提出します。
 また最低賃金の引き上げ・協定化を春闘の重点課題とします。全日赤本部は本社に対して最賃協定の締結を迫りますが、嘱託職員等の賃金は各施設が決めることから、各単組は施設に対して最賃協定締結を迫ります。そして派遣労働者を含め、その施設で働く者の賃金は最賃を下回らないように迫ると共に、地域最低賃金の引き上げを追及し、全体の賃金引き上げにつなげていきます。

成果主義賃金導入阻止
 人が人を評価するにあたって客観的な評価が出来るものではなく、私情が入り労働者の間に差別と分断を持ち込むものです。安全・安心の医療を行う上で重要なことはチーム医療の充実であり、そこに差別・分断を持ち込むことは医療の質を低下させるだけではなく医療事故にもつながりかねません。医療の職場には馴染まない制度であり断固導入を阻止します。

不払い・サービス残業一掃
 退勤時間調査の全日赤集約では、平均八六分の時間外労働をし、その内年間で約四八万円が不払いとなっています。退勤調査では過酷な実態を明らかにさせたことと併せて、職員との対話が進んだことが報告されました。
 全日赤では二月一五〜二四日の医労連第三次ゾーンに合わせて、再度全単組で「退勤時間調査」を実施します。また三月〜五月を時間外請求月間として位置づけ不払い・サービス残業を無くすキャンペーンを展開します。

特別条項付き三六協定は結ばない
 いま全国的で「特別条項つきの三六協定」が横行しており問題となっています。労働省が提示した時間外労働の限度時間を遙かに超えるものも特別な事情として協定化することで合法化しようと施設側は狙っています。厚労省通知「過重労働による健康障害防止のための総合対策」で示されている過労死と結びつく時間外労働の目安に基づき、上記の限度以上の協定は結ばない姿勢で対処することを意思統一しました。

長時間二交替制夜勤反対

 日赤の施設内で二交替制夜勤が増加しています。単組では長時間二交替制夜勤を実施させないために、その問題点を明らかにして、宣伝活動を強めています。しかし職場ではよりましな勤務ということで、二交替制夜勤を選択する場合があります。
 徹底した職場論議が必要であり、八時間労働の意味を見つめ直し、人間らしく働くために増員を要求しながら長時間二交替制夜勤を導入させないようたたかいます。

憲法9条を守ろう
 いま憲法改悪の動きが急速に強まっているなかで「憲法9条の会」が発足するなど、平和憲法を守ろうとする運動も高まっています。全日赤は、日本を戦争に協力する国にせず、二度と戦争の血で白衣は汚さないために、平和憲法を守り改悪策動を阻止するため全力をあげて奮闘します。

組織拡大は待ったなし
 現在、どこの赤十字施設においても、患者・利用者からの収益増と人件費削減を柱とした採算本意・経営効率優先の運営に拍車がかけられています。こうしたなかで安全な医療・看護を提供していくために、そして賃金・労働条件を改善していくために組織の拡大・強化は欠かせません。また、不当な攻撃に立ち向かい、働くものの権利を守るためにも組織拡大・強化の課題は避けて通れません。退職時の特昇廃止問題、全社的福利厚生事業の立ち上げに伴う施設独自事業の改廃問題、職員診療助成制度廃止への動き、そして成果主義に結びつく目標管理の徹底と勤務評定等々、これから職場には、いっそう多様な問題が起きてきます。今後、私たちが有利に事を進めて行くためには、なによりも組織拡大によって現在の労使間の力関係を変える必要があります。




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