JRCSWU

2005春闘アンケート
賃上げ要求は切実! 増員・休み要求増加

日赤労働者743号



 ここ数年のアンケートでは、要求額が下がり傾向にありましたが、今年は昨年より賃上げ要求額は高くなり、賃上げ要求が切実であることを表しているものと思われます。また増員や休日とくにリフレッシュ休暇を求める声が増えており、働き過ぎの実態が浮き彫りになりました。

「生活実態」は改善?
 生活実感の質問では、昨年と比べ「かなり苦しい」「やや苦しい」が減少し「まあまあ」と答えた人が増えています。年々下がり続ける収入の中で切りつめた生活に慣れてしまったのか、昨年、日赤では俸給表の改定がなく賃下げにはならず加えて当たり前ですが定期昇給があったために「まあまあ」が増えたのか、医労連の集約とは違う傾向にあります。

賃金の不足感は変わらず
 年収が減ったと回答した人は昨年より二一ポイント減少しましたが、一昨年と同様に約六割の人が年収が減ったと答えており、賃金の不足感は昨年と大きく変わらず、約四万円となっています。年齢別で見ると年齢が高くなるほど、減収を感じており五〇歳代では約八割が「減った」と答えています。また「苦しい」と答えた人の割合が一番多い四〇歳代では約七割が減収を感じており、賃金不足平均額も一番高く約四万八千円となっています。

二万八千円要求は切実な声
 ここ数年、要求額が減少しており不足感との乖離が進んでいましたが、今年は昨年より賃上げ要求額は引き上がりました。賃下げが続き、賃上げ要求をしても無理との諦め指向が、昨年のたたかいで賃下げをさせなかったことや不払い残業を支払わせたという報道もあり、「たたかえば要求は前進する」と不足感に近づく要求をする傾向に転じたのではないでしょうか。要求額が一番高いのは四〇歳代で三万円に達しており、要求の増加傾向は低年齢層ほど大きく二〇歳代では昨年より千四百円要求額が上がっています。

サービス残業は減少
 退勤調査や不払い残業一層キャンペーンなど私たちの運動の成果と言える結果として、始業前や昼休みも時間外であることを知っている人が増えおり、サービス残業は平均で昨年より〇・七時間減少しています。しかし施設によっては増えている所もあり全ての施設でサービス残業が減少したとは言えません。また時間外を請求しない理由では、「自分の能力の問題」と答える人が相変わらずトップであるのと同時に「するなと言われる」「嫌みを言われる」と共に三つが昨年より増加しています。施設側の攻撃も激しくなっている現れだと思われ、教育宣伝活動を強める必要があります。

ほとんどの職員が疲れており、健康を心配
 と「やや疲れる」を合わせると昨年と同様に九割を越える人が答えるという実態が続いています。年齢別では、「とても疲れる」と答えた人が一番多いのは二〇歳代で六一・五%に及んでいます。年齢が高くなるほど疲れる比率は下がっており、不払い残業が多い年齢層ほど疲れ具合も大きいという状況にあります。
 また不安を感じることでは(1)「医療看護の質」、(2)「賃金抑制」、(3)「合理化」、(4)「自分の健康」、(5)「病院の統廃合」と続きますが、昨年は「賃金抑制」が一位であったが、九・三ポイント減少し、「自分の健康」は昨年と比べると四・九ポイント増加しています。

増員と休みの要求が増加
 労働条件改善要求では、上位三位の順位は変わらず、(1)「増員」(2)「諸手当の改善」(3)「休日休暇の拡大」となっていますが、増員要求と休みの要求が増加しています。「リフレッシュ休暇制度」の増加率が一番多く四・三ポイント増加し、次いで「福利厚生の充実」が増加しています。また「完全週休二日制」が減ったのは未実施施設の回答が集約させていないことに起因するものと言えます。

人手不足はストレスだ
 ストレスを感じることは、「人員不足」がどの単組でも上位で、四人に一人のストレスを感じています。次いで、「職場の人間関係」、「仕事の内容が変わったとき」、「慣れない仕事を一人で任されたとき」「強制的な会議や勉強会」「深夜に仕事」となっていますが、男性では「深夜に仕事」が三番目に多い結果となっています。
 また年代別では、「人員不足」がどの年代でも一位であるが、低年齢のほうでは七割がストレスを感じており、四〇代から五〇代では「職場の人間関係」にストレスを感じる割合が増加する。二〇代は「慣れない仕事を一人で任されたとき」が多く、三〇代以上では「仕事の内容が変わった」が上位に変わります。




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