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全日赤第五回 給食部門全国交流集会

日赤労働者746号



 二〇〇五年三月一二日〜一三日に大阪で全日赤第五回給食部門全国交流集会が開催されました。「学んで、作って、交流する」熱い二日間が繰り広げられました。参加者は本部を含めて第一日目は一八名、第二日目は一三名でした。これまでの全国集会の参加者は調理師が多数でしたが、今回は管理栄養士三名、言語療法士一名、理学療法士一名、看護師一名の参加もありました。討論も時間が足りない位、活発で中身が濃い集会になりました。

口から食べる重要性。患者さんにあった給食を

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嚥下食について学ぶ

 集会のメインは、「嚥下食の訓練と実際」の講演。元国立刀根山病院栄養管理科調理師長の大澤孝一氏を講師に迎えました。摂食・嚥下に関わる器官の基本的なことも踏まえた上でのわかりやすい講義でした。病状が回復するには「口から食べる」ことが非常に重要なこと、嚥下食には決まった定義はないから、直に患者さんと接して、患者さんのニーズ、レベルにあったものを作ること、なにより大事なことは「おいしい治療食を作る」という視点で正しい知識を持って嚥下食を作ること、栄養士だけでなく、調理師も病棟に行って患者さんと直に接すること、他職種の人にも協力してもらえるようにアピールすることが大切だという話に参加者は聞き入っていました。
  また技術実習として、今年は和菓子教室を行いました。和菓子を作るのが初めてという人もいて、和気あいあいとした中でみんな楽しそうに実習を行っていました。普段とは違う経験でしたが、視覚により食欲も刺激され病院給食にも取り入れたいといい経験になりました。

 

 

 

 

業務内容の交流もできた。違法請負の実態も明らかに

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和菓子づくり

 討論の中では、嚥下食のこと、NST(栄養サポートチーム)、病院機能評価、ベッドサイド訪問、委託・欠員補充問題等、様々な視点から職場実態を交流し討論しました。委託問題では「派遣」と「請負」が混同されていること、欠員補充を正職員ではなく委託業者から補充し、段々と委託の人を多くして正職員が居づらい状況にして、全面委託化になってしまうケース、正職員と委託が混在する職場では給与の差等からチームワークにヒビが入ってしまうこと等の問題が明らかになりました。
  また病院機能評価では、その評価を上げるために選択メニューが増えたり、設備がよくなったりと良い面はあるものの「患者ありき」ではなく「機能評価ありき」という経営中心な病院の方針も浮き彫りになりました。




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