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核兵器廃絶は世界の願い
NPT(核不拡散条約)再検討会議に参加して

日赤労働者750号



 四月二九日〜五月五日、N・Yで行われたNPT(核不拡散条約)再検討会議のN・Y行動に医労連の代表の一員として参加しました。日本からは八三〇人の代表が参加し、署名活動やピースパレード、反核活動家との交流などしました。

ニューヨークで平和をアピール

写真

 なんといっても一番楽しかったのは、ピースパレードです。道いっぱいに広がって、うたあり踊りありと趣向をこらしたもので、私も写真を撮ったりバッチを貰ったりしました。パレードの途中で近くにいた男性は、全労連のゼッケンを見て『メッセージを変えることができるなんてすばらしい。是非コピーしたい』と言うので、私が付けていたものをあげました。日本ではわりと当たり前のようにデモで使うものでも、こんなに感動する人がいるのには驚きでした。また、沿道の人々も手を振ってくれたり、署名に応じてくれたり、たのしく「平和」をアピールできました。













アメリカの横暴を許すな

 今回のNPT再検討会議で焦点となっていたのは「アメリカの横暴を許すのかどうか」ということでした。アメリカは「核保有国は核不拡散に向けてそれぞれ努力しているのだから他の国は口出すな。これから持とうとする国は原子力発電でも許さない」という主張です。つまりアメリカは小型で使いやすい核兵器をどんどん開発したいのです。
  今、世界には約三万発の核兵器があり、そのうち一万三五〇発をアメリカが保有していますが、それに対抗する世界の核廃絶に向けての大きな流れが確実に起こっています。
  核不拡散条約に加盟している国は一八八カ国(北朝鮮除く)つまりほとんどの国は核兵器を持っていません。「自分たちは核兵器を持たないから持っている国もなくしなさい」という圧力を掛けているのです。
  また、九・一一同時多発テロの犠牲者の遺族が立ちあがり「愛する人の死を戦争に利用してはならない」と悲しみを平和につなげる活動をしたり、市街地で署名をお願いすると「O.K」とか「I’m No Bush」とか気軽に応えてくれたり(この行動で集まった署名は一万二千筆)しました。
  四日のNPT会議では、「いま、核兵器の廃絶を」署名五〇〇万余り筆の目録をドゥアルテ議長に手渡しました。

世界に広げよう反核の輪

 今回の行動は、アメリカだけでなく世界の反核運動を励まし、多くの成果をあげたのです。また、日本からの署名を保管したり、交流会の会場を提供したりしてくれたSEIU1199(国際サービス労組)との交流会で、「労働組合として戦争に反対する理由は二つあります」と九〇才になる元幹部が言いました。「一つは、人を殺すことはダメです。もう一つは、戦争には意味がありません。ただ人が死ぬだけです。四〇〇億ドル(アメリカがイラク戦争に使った金額)あれば全ての人が飢えずにすむのです」と。私は日ごろ、なぜ労働組合として平和問題を取り上げる理由を考えていたので、すごく心に落ちる言葉でした。また、どの国でもどうすれば青年に平和運動を広げるのか意識していて、被爆者の生の声を直接聞ける世代として、被爆国である日本の青年としての責任と私たちにしかできない役割があるのではないかと感じています。私自身もどのようにすれば、多くの青年に伝えることが出来るのか課題はたくさんありますが、今回の行動で、私たちと同じように核兵器を廃絶しようと行動する人々と会い、一緒に行動し、交流していく中で、私たちは決して少数派でないことを感じることが出来ました。
  今年の夏の原水爆禁止世界大会は被爆六〇周年の記念大会となり、海外からも多くの青年がこの世界大会に参加します。そして今回初めて『核兵器をなくそう―世界青年のつどい』を開催します。参加した青年ひとりひとりがお客にならず主役になる集会を企画しているところです。どうなるのか、今から結構たのしみだったりします。今回のN・Y行動はゴールでなく、新たなスタートになったかなと思います。
  全日赤本部、三村真理子




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