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日赤労働者753号



 宇宙空間とは、普通の航空機が飛べる限度以遠(高度約三〇Km上)を指すのだそうだ。この宇宙空間から初めて地球を見たガガーリンは「地球は青かった」と述べたが、八月にスペースシャトル・ディスカバリー号の野口聡一郎さんは、「地球は、まさに命の輝きに満ちあふれた天体として美しさというより強烈な存在感を感じた」と感動を語った▼野口さんの行った船外活動は二〇時間余りに及んだが、「冷静な状況判断」「短時間で的確な意思疎通」「迅速な意志決定」などが大切だと感じたと語っているように、スタッフの抜群のチームワークと全幅の信頼関係によって成し遂げられたものであろうことは、想像に難くない▼チームワークと信頼関係が不可欠であることは、医療においても同じである。あろう事か本社はいま、人事院勧告に準拠するとして、この二つとも破壊してしまう成果主義賃金(勤務評定による査定昇給)を日赤に持ち込もうとしている。これは百年の計を誤る一大誤謬と言わざるを得ない▼野口さんは「思ったことに向かってまっすぐに歩いていけば、夢はかなう」と語り日本の子供たちに夢を与えたが、はたして成果主義なんぞ持ち込んだ日赤で夢を語れるだろうか。「夢はかなう」どころか夢も希望もない職場にされてしまうのは火を見るよりも明らかである。




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