JRCSWU

全日赤結成60年の歴史をさらに発展させるために
全日赤中央執行委員長 太田千枝子

日赤労働者755号



新年明けましておめでとうございます

 新年は、昨年よりの給与構造「改革」という名の大幅な賃金引き下げと査定昇給導入に対するたたかいのさなかに迎えました。そのたたかいに奮闘されている全国の仲間のみなさんに心から敬意を表したいと思います。
 昨年夏の総選挙で小泉自民党は、争点を「郵政民営化」一本にしぼり、「改革を止めるな」と絶叫し、マスコミもそれに乗り大勝しました。選挙後、自民党は消費税の増税を打ち出し、米軍基地の再編と機能強化を押しつけ、とうとう九条を変えて日本を「戦争ができる国」にする新憲法草案まで発表しました。医療改悪の提案もひどいものです。お年寄りの三割負担や食費・居住費の自己負担、保険の免責制度など、国民負担は重くなるばかりで、国民皆保険制度の根幹を突き崩すものです。
 自民党は「小さな政府」を宣伝し、公務員を減らすことが、国の財政破綻を改善する唯一の手段のように言ってます。規制緩和をうたい、国が本来やるべきことを放棄し、民営化を許したことにより、昨年大騒動になった偽装設計マンション事件がおきています。「小さな政府」によって、国民の安全・安心は投げ捨てられ、儲かればなんでもありの世の中になってしまい、私たちの暮らしの先行きは暗く、展望はもてません。
 自民党の新憲法草案は、憲法前文から魂≠ニいうべき国民主権、基本的人権、平和主義がばっさり切り捨てられています。そして、第九条の一項は残しても、二項を変えることで、(1)集団的自衛権の行使を可能にすること、(2)徴兵制をはじめ国民の国防義務を憲法で認知することになります。憲法ができて六〇年、日本がこの間戦争で誰一人殺さず、誰一人殺されなかった、この歴史をこれからも積み重ねてゆくために、憲法を変えさせない運動が、今こそ求められています。憲法を守ろうとする「九条の会」は全国で三千六百を超えてつくられています。その会を職場で、地域で、家庭でさらに発展させましょう。
 昨年秋、日本医労連が提起した「看護職員の労働実態調査」は三万六千人を超える看護師の実態を明らかにしました。全日赤は二三〇〇人を調査しました。この結果を、全国紙・地方紙が取り上げ、看護師を増やさなければという世論ができつつあります。七七%の看護師がいつも疲れていて、七六%の看護師が辞めたいと考えていて、十分な看護ができていると考えている看護師は六・二%、こんな結果に対する答えは増員しかありません。診療報酬上の手当が必要なことは言うまでもありません。
 今年の賃金のたたかいは、既に昨年から始まっていますが、医療職場のチームワークに影響を与え、公平性も透明性もなく疑心暗鬼と労働強化を生む成果主義賃金導入を許さないたたかいの強化を訴えます。
 今年は全日赤が結成されて六〇年を迎えます。その歴史をさらに発展させるために、一層の団結と仲間を増やすことを訴えます。そして、記念の大会を最高の組合員数で迎えようではありませんか。





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