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『疲れている』が97%!増員・休日・賃上げを!〜春闘要求アンケート結果〜

日赤労働者757号



 全日赤では、二〇〇六年春闘要求アンケートの結果をもとに、賃上げ要求額を二万八千円とし、第二回中央委員会で決定しましたが、集約の結果、職員のほとんどが「疲れた」と答えるなど職場の実態が明らかとなっています。

集約状況

 アンケートの集約は、二月一七日時点で一四九二名となっており、回答者の構成は、性別・年齢・雇用形態・職種に大きな変化はありません。
 例年と同様に女性が9割を占め、二〇歳代が三割と一番多く三〇歳代と合わせると半数を超え、職種では看護職が8割を占め、他の職種は一割に満たない状況です。これは医師を除けば日赤の職員構成にほぼ近い回答状況と言えます。また組合未加入の回答数も年々増えてきています。

疲れたと答える人が年々増加

 昨年より「とても疲れた」と答えた人が七ポイント増加しました。約六〇%になっており、「やや疲れた」と合わせると、九七%が疲れたと答えています。昨年より疲れた人が増えるとともに疲れの度合いも増している状況です。年齢別では、「とても疲れた」が一番多いのは三〇歳代で、平均を六ポイントも上回っており、次いで二〇歳代と四〇歳代で平均と同じ六割の人がとても疲れたと訴えています。職種別では、看護職・保育士・介護職で「とても疲れた」が平均を上回っています。
 職場の不満で、一位が「人員が少ない」、二位が「休日が取れない」であることから見ても、人員不足で休日も取れずに疲れ切っている職場実態が如実に現れた結果となっています。

生活実態・年収は改善されたのか?

 生活実態では、昨年より「かなり苦しい」が〇・八ポイント減り、「やや苦しい」(〇・三ポイント増)と「ややゆとり」(〇・五ポイント増)へと若干移行していますが、「かなり苦しい」と「やや苦しい」を合わせた「苦しい」は、ほぼ半数となります。また職種別では、医療技術者と事務職が六割、技術・業務職で七割が「苦しい」と答え、年齢別では四〇歳代が一番多く「苦しい」と答えています。
 年収においては、「増えた」と答えた人が上昇(昨年より五ポイント、一昨年より一〇ポイント)し、「減った」と答えた人が減少(昨年より一〇ポイント、一昨年より二〇ポイント)しています。しかし「減った」と答えた人は、全体でほぼ半数あり、技術・業務職では七割に達しています。これは職種毎の年齢分布に影響していると考えられます。技術・業務職では五〇歳代が一番多く、次いで四〇歳代となっているのに比べて、回答数の多い看護職では二〇歳代が一番多く、二番目が三〇歳代となっています。年齢別では、二〇歳代で「増えた」と答えた人が、平均の二倍近い約二割おり、逆に「減った」と答えた人は、四〇歳代から平均を超え、五〇歳代・六〇歳代では平均の二倍近い八割となっています。

二〇歳代で多いサービス残業

 全体の平均で、時間外労働では若干短縮して一四・八時間となり、サービス・不払い残業の平均時間は二時間短縮し三・七時間となりました。しかし年代別の平均時間を見ると時間外労働は二〇歳代をピークに年齢が上がるほど減少しているのに対し、サービス・不払い残業は二〇歳代だけ突出して多い現状が浮き彫りになりました。これは職場の不満で二〇歳代が三番目に時間外が多いを挙げていることからも伺えます。 

増員と賃上げは職場の切実な要求

 職場の不満では、「人が少ない」が一番多く、「休日が取れない」「賃金が安い」「時間外が多い」と続きます。昨年と設問が変わっているので比較は難しいですが、今回の結果では、六〇歳代以外は全ての年齢層で一番に挙げ、また看護職、介護職、保育士が高い割合で一番の不満として「人がすくない」を訴えており、増員は待ったなしの課題であると言えます。
 次に多い「休日がとれない」は人が少ないことに連動するものと考えられますし、年収が下がったと答えた人が多かった技術・業務職では「賃金が安い」を一番の不満としているのは予測できるものでしたが、二〇歳代で「賃金が安い」を二番目にしているのが特徴的と言えます。二〇歳代では「賃金が上がった」と答えた人が他よりも多く、生活実態も「まあまあ」が一番多いけれど、時間外労働もサービス残業も多い実態から、仕事量に比べて賃金が安いと感じているのでしょうか?増員による時間短縮とサービス残業一掃の闘いが求められています。また全体の回答でも「賃金が安い」は二番目と差は小さく、賃上げ要求額も若干ではありますが上昇傾向にあるなかで、賃上げ要求、特にベースアップは切実な要求と言えます。




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