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日赤労働者761号



 
 

 第三三回の医療研究全国集会が、六月九から一一日にかけて、山形県天童市で開かれた。六月の医療研は、夏期闘争の真っ最中であり、参加することが難しいなかで、全日赤からは四〇名前後の参加があり、レポートも何枚も出されていた▼初日の講演は海南友子さんの、日本軍が中国東北部(旧満州)に、終戦時毒ガスなどの化学兵器を遺棄し、その兵器が中国の経済発展にともない地中から掘り出され、そこで暮らす住民に被害を与えているという、衝撃的な話だった。遺棄された兵器は、日本政府の推定で七〇万発だという。海南さんは、その毒ガスがつくられた瀬戸内海の大久野島も訪れ、当時何も知らされず、毒ガス兵器をつくり、その被害に遭って死亡したり、後遺症に苦しむ少年たち(現在七〇歳代)の聞き取り調査もした▼海南さんは、今のマスコミのひどい状況も話した。彼女は、戦争の後遺症で苦しむ中国の人々のことを「にがい涙の大地から」というドキュメンタリー映画にしたが、マスコミからは「戦争ものは暗いから」という理由で拒否されている▼今全国あちこちで、自主上映が始まり、忙しそうだ。「一〇〇年先を見ながら運動しよう」と訴えた言葉が耳に残った。




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