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「医師を確保して、上山田病院の存続を」署名始める

日赤労働者763号



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 長野赤十字上山田病院では、「医師確保の見通しがたたないので、今後、経営が困難になる」として、来年三月に閉院を含めた対応を検討していることを明らかにしました。全日赤長野単組および上山田支部では、地域医療を守る観点から存続のための署名を開始しました。

地域の声で日赤が引き受けた

 長野赤十字上山田病院は、九年前に、国立長野病院の後医療を引き受け、始まりました。当時、国立長野病院は統廃合の対象であり、地域に「国立病院をつぶすな」という大きな住民運動が起きていました。その運動の結果、日赤が後医療を引き受けることになったのでした。始まった二年間は、地域自治体から財政支援を受け、透析室を増築する時も支援を受けてきました。療養型九六床を含む二五〇床の病院として始まりました。
 入院患者さんはほとんど高齢者であり、入院単価は低いなどの問題点はありましたが、夜間救急もおこない、昨年のベッド占有率は九七%と高く、在宅支援やデイケアなど、地域医療を担う公的病院として頑張ってきました。

医師不足の解消、公的医療を守るたたかい

 しかし、全国的に医師が不足している情勢のなかで、今年七月には一九名いた医師が一五名に減ってしまい、その補充ができていません。本院の院長は、医師確保の見通しがたたないことを理由に「このままでは赤字が増え、経営が困難になってしまう」と、来年三月にも、閉院を含めた対応を検討していることを明らかにしてきました。
 単組は、この地域に他の公的病院がないこと、年間延べ八万人の入院患者さんと一〇万人の外来患者さんが診療を受けていること、デイケアにも月三〇〇〜四〇〇人が通ってきていること、夜間救急を担っていることなど、なくてはならない病院であり、決して閉院すべきでないとして、病院経営者に対して、医師確保の努力と病院を存続するよう求めています。
 この問題での施設交渉、本社医療事業部との懇談などを経て、八月二三日に上山田職員集会、三一日長野県庁での記者会見をおこない、「公的医療機関としての、長野赤十字上山田病院を存続して下さい」、「そのために医師を確保するための対策を講じて下さい」という請願署名を集めることになりました。署名は患者さんや地域の方々にもお願いしようと準備を始めています。全国の仲間からの支援もよろしくお願いします。
(太田)




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