本社より「勤務成績に基づく昇給制度」に対する意見を求められ、文書で提出した全日赤の見解をシリーズで掲載します。
勤務評定の試行について
まず、日赤本社が五月一日より実施した勤務評定の試行については、全日赤との交渉を打切り一方的に行ったものであり、全日赤が合意したものではない。
昨年一二月二一日に労使双方が受諾した中労委見解である「試行も含め引き続き協議を行う」とは、試行をするかどうかも含めて十分協議することになったものである。それは一〇時間におよぶあっせん作業の経緯をみれば明らかである。これに反して協議を打ち切り一方的に実施したことについて改めて抗議の意を表するところである。
四月一二日に提案して五月一日から試行実施では、協議時間も充分であるとは言えないし、試行実施要項も団交での正式提案はなく試行内容についての協議も行っていない。また試行施設での準備も不充分な中で行われた試行であると言わざるを得ない。
加えて「実施要項の目的」は「勤務評定基準の妥当性及び手続きの実行性等を確認するため」としており、評定を受ける側のプレッシャーや気分感情、評定する側のプレッシャーや気分感情を把握するものではなく、職員をランク付けするためのシステムとして妥当性実行性をみるだけの試行となっている。これでは我々が指摘している勤務評定の弊害を把握することはできないものであると言わざるをえない。 |