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日赤労働者768号



 四月一二日夕方衆議院憲法調査特別委員会で改憲手続き法案が自民・公明の与党によって強行された▼この法案をめぐっては慎重審議を求める声が多かった。NHKの世論調査でも、「今の国会で成立させるべきだ」という意見は八%にすぎず、「時間をかけて議論すべきだ」が七一%にのぼっている▼この法案そのものの不備も様々指摘されている。最低投票率を設けないのは何故か。資金のある改憲派が有利になる有料スポットCMの仕組みは不公平にならないか。公務員・教師が国民投票運動を行うことに対して、何故制限が加えられるのか等々▼やはりこれは安倍首相が、新年のあいさつで自分の任期中に憲法をかえる、とくに九条ををかえると話したことと密接につながっており、今国会でごり押ししようとしているのである▼一二日夜、日比谷野外音楽堂で緊急の抗議集会が開かれ、都内近県から五千人が集まった。その集会でアーサー・ビナードというアメリカの詩人が語ったことが印象に残った。「今の憲法は古いから変えた方がよい」という人がいるが、「私は日本国憲法は新しい。いや未使用だと思う」と言ったのである。確かに憲法の示す、国民主権も平和主義も人権の尊重も、今の日本で完全には達成されていない。




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