JRCSWU

「勤務評定に基づく昇給制度」
4月実施断念させる。

日赤労働者768号



写真 査定昇給は〇五年度(国家公務員の)人事院勧告に『給与構造改革』の柱として出され、日赤本社が同年八月に導入の意思を明らかにして以来、全日赤は導入反対でたたかい続けてきました。

 当初、本社は〇五年賃金と「勤務評定に基づく昇給制度」を含む〇六年給与構造改革を一連のものとして提案してきました。全日赤は「〇五年の賃金交渉と次年度の賃金改定は別の話である」として中労委のあっせんの結果、〇六年給与構造改革については、引続き協議となりました。
 全日赤は「公正で客観的な評価はあり得ない。そこにランク付けと競争を持ち込むことは、安全・安心の医療・福祉にとって危険な制度であり断固反対」として、既に一方実施された福島の竹田綜合病院へも取材に行きながら、職員署名や各施設への申入れ行動、二度に渡る本社要請行動も行いました。〇六年十一月二七日の団交では、全日赤の質問・追及に対し明確な回答が出来ない状況にまで追いつめました。しかし本社は4月導入に固執し、中労委へあっせん申請を行ないました。あっせん作業の中で、本社は勤務評定の試行を持ち出しましたが、全日赤は「例え試行であっても勤務評定は、職員のやる気をなくさせる」として反対し、長時間に及ぶあっせん作業の結果、「勤務成績による昇給制度については試行もふくめ引続き協議すること」があっせん員見解として出され、双方が受諾しました。
 ところが本社は、あっせん員見解に反し協議を尽くさぬまま、〇六年五月に一部の施設で試行を強行しました。施行施設では「勤務評定に反対する者は評価に反映させる」「看護業務は本来の業務だから評価の対象にはしない」など、混乱と脅しが横行しました。
 全日赤は,直ちに試行中止を本社に申し入れるとともに、本社が聞き取りを行なわない職員の意見を、全日赤がアンケートで集約することとしました。
 一〇月一五日には、試行結果のアンケートをもとに本社要請行動を展開しました。参加者からは「成果主義をやっている場合ではない。看護師確保・離職防止を考えるべき」「評定項目は抽象的であり評価できない」「業務的にも困難。七月末までにするはずの事後説明が、まだ実施できておらず試行は失敗だった」「医師や師長も反対署名をしている」など、現場発言とあわせ勤務評定は導入すべきではないことを追及しました。本社は「職員の士気高揚、組織の活性化が期待できる」としか答えることができませんでした。そして年末交渉においても本社は「引続き協議したい」との姿勢を示すしかありませんでした。
 〇七春闘交渉で、本社は「勤務評定マニュアル(案)」を提示し、あくまで4月からの実施を言い続けましたが、全日赤は提案の撤回を求め、「患者・利用者向けビラ」も配布するとともに、三月五日には、医労連と共に「日赤本社前集会」を行ないました。施設の反応も「反対である」との意見が多くなるなか、三月二七日の団交にて本社は、「現時点で理解が得られず残念。継続的に協議し早期に実施したい」と述べ、4月実施を断念させることができました。
 この間私たちは、度重なる施設長への申し入れや全施設長への郵送での「呼びかけ」、未組織施設でも宣伝を行うなど、精一杯たたかってきました。こうした取り組みの結果、施設長の間でも「反対」や「慎重」の声があがり始めるなどの状況をつくってきました。このことに確信を持ち、組合員を増やして提案撤回までたたかっていきましょう。




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