機関紙「日赤労働者」

2022年春闘
勤務評定の導入を阻止し、働き続けられる職場と生活できる賃金・労働条件を勝ち取り、平和憲法を守りぬく春闘

書記長に聞く

 Rプラン交渉の到達点を確認し全日赤としての対応を決定するとともに、春闘での新たな要求とたたかい方を決定するために、2021第2回中央委員会が2月5日(土)に開催されます。コロナ禍における賃上げと一時金決定の最低基準額を交渉する春闘となります。今春闘のたたかい方について書記長に聞きました。

Rプランはどうなりますか?

 Rプランは、2020年1月に提案され、全日赤は撤回を求めてたたかい、2020年11月には中労委のあっせんを受けて、諸手当と退職金については譲歩案を引き出し合意しました。その際、勤務評定に基づく賃金制度に関わる部分については継続協議となりました。2021年12月15日の団交で譲歩案を引き出したことで、不満は残るものの妥結し、勤務評定の導入阻止を含め、新たな要求を練り上げ追及することを提案します。

春闘情勢はどうなっていますか?

 昨年秋に総選挙があり、その直前に指名された岸田首相は「憲法改正を積極的に進めたい」と選挙後の改憲で述べており、憲法改悪を許さないたたかいが求められています。
 一方でコロナ対策として「看護師・介護職員・保育士の賃上げ」を打ち出していますが、恒久的な財源確保は明確になっておらず、診療報酬の抜本的改善など追及が必要です。また看護協会も看護師の賃上げが必要であると訴えており、コロナ禍でエッセンシャルワーカーの必要性とそれに反する賃金の低さが浮き彫りになっています。世界的にコロナ禍の影響もあり物価が上昇するなかで日本の賃金が上がっていないことも報道されています。こうした賃上げ必要の世論を活かして大幅賃上げを目指してたたかわなければなりません。

賃上げ要求額を含め春闘要求は?

 賃上げ要求額については、「生計費原則」に則った議論を進めながら、2021年度要求アンケートの集約結果を重視しながら日本医労連の賃上げ要求(4万円要求・看護師初任給27万円以上)を参考にして賃金専門委員会で議論します。
 また、Rプランは妥結し新たな賃金制度となる2023年度を踏まえて、要求を練り上げる必要があります。具体的には2023年4月の俸給表切り替えに対する基準要求なども賃金専門委員会での議論を踏まえて中央委員会に提案します。

勤務評定はどのように阻止しますか?

 Rプランは勤務評定を反映させた賃金制度ですが、全日赤は、勤務評定の導入は認めず協定から勤務評定にかかる箇所は線引きし除外します。その上で評価の結果に基づく賃金制度となるなかで、「評価」は勤続年数を用いておこなうよう追及します。
 一方で、本社は給与要綱を改定し、勤務評定の実施(2023年4月度)に向けて研修など準備をすすめることが予想されます。勤務評定では公正・公平な評価は出来ないものです。このことと業務が増えることを大いに宣伝し、勤務評定は取り入れずに、別の評価基準を施設に求めます。具体的には勤続年数による「昇格基準の新たな統一要求」をもとに施設追及を強めます。
 現状のように勤務評定は制度上導入しているが実施させない状況を作り出します。名付けて「勤務評定骨抜きプロジェクト」を春闘から展開していきます。

春闘をどうたたかいますか?

 Rプランの俸給表は、公務員賃金を基にして再編・統合したものです。2021年の交渉でG/P2の最高号俸を引き上げる回答を引き出しましたが、基本的には、俸給表は人事院勧告を基にしていますし、2020年度に続き、2021年度の賃金改定も人事院勧告にならい「据え置く」と回答するなど基本方針は変わっていません。本社は「世間並み」を主張しますので、まず世間の賃上げ情勢を押し上げます。
 そのために最低賃金の引き上げを重点とし取り組みを強化します。また、生計費原則に基づく賃上げを追及するとともに、コロナ禍で奮闘している職員に報いるためにも大幅賃上げをおこなうことを求めます。そのことが看護師をはじめとする医療労働者の確保につながり、医療労働者の確保が安全で安心できる医療を確保するものであることに確信を持ち本社・施設追及を強めます。
 次に、医療や福祉で働く労働者が世間並みの賃上げをおこなえば施設が成り立たなくなる現状を世間に訴え、政府の政策を軍事拡大ではなく社会保障充実へと転換させ財源確保も求めます。そうした中で、日赤本社に対しては、人事院勧告に依らない真に世間並みの賃上げを自主的におこなうよう追及し、春期決着を目指します。
 そのために要求提出(2月25日)と同時に「大幅賃上げと賃金改善を求める職員・家族署名」に取り組みます。また回答日翌日の統一行動日(3月10日)から春闘ワッペンを着用し世間にアピールします。

一時金の交渉はどうなりますか?

 賃金協定に基づき本部本社間で決定する「基本額」に関する要求を春闘要求として本社に提出します。「基礎額」は春期に決着する必要があることから、回答指定日(3月9日)の翌日および3月下旬、4月下旬にストライキを配置し要求前進を追及します。「基礎額」の決定に関しては地方協代表者会議の意見を聞きながら中央執行委員会で判断します。
 その後、単組毎に「基本額+加算額」の要求と単組スト権の確立をおこないながら施設と交渉して一時金を決定します。
 またRプランの交渉で勤務評定の反映は2025年の夏期一時金からとなりますが、全日赤は撤回を求めて追及します。一方、今年の夏の一時金から加算措置(傾斜配分)は廃止となりますので、単組では「廃止に伴う財源を一律支給せよ」と一律要求を重視し施設を追及します。

労働条件等の重点課題はなんですか?

 (1)「サービス・不払い時間外労働一掃のたたかい」は、時間外手当の請求は増員・医療改善のつながるたたかいとして位置づけながら請求運動を展開します。春闘では4月11日から15日までを退勤調査週間として位置づけて、時間外労働の実態調査をおこなうとともに、新職員に向けて時間外請求の意義を訴えます。
 (2)「違法当直廃止、当直体制の見直し」では、2021年に新設された待機手当の要求と併せて、待機(拘束)体制の見直しについての職場議論を進めます。
 (3)「年休・権利休暇取得促進」では、付与された年休を捨てることなく権利行使できる職場環境の構築に取り組みます。名付けて「消える年休救出プロジェクト」を4月1日から展開し、増員をさせながら全職員が付与された24日の年休を2023年3月末までに取得できるように施設を追及します。
 (4)「夜勤改善の課題」では、引き続き当面月8日の夜勤協定の締結を追及するとともに「インターバル協定」の締結についても追及を強めます。

組合を大きくするための取り組みは?

 要求を実現させるために、組合が大きく強くなる必要があります。
 春闘では3月10日を春の「わくわくの日」とし、さらにその後1週間を組織拡大取り組み強化週間と位置づけるとともに新採用者への働きかけも早い時期から準備をすすめ、100%加入をめざし奮闘します。

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