機関紙「日赤労働者」

勤務評定の真のねらいは
人件費抑制の物言わぬ労働者づくり

 本社の説明では、「勤務評定のねらい」のなかで勤務評定の機能について解説しています。
 その一つとして「日本赤十字社の方針、職員への期待を明確に伝えるメッセージ機能」を挙げていますが、これは勤務評定を使って、日赤の方針や上位者の期待に添わないものは「評価を下げる」ことによって、物言わぬ労働者をつくることが目的であると考えられます。方針や命令に従うのは「あたりまえ」と言う人もいますが、勤務評定の名を借りて上司の理不尽な命令(例えば「時間外手当を請求するな」など)にも意見できなくなります。
 次に「職員のモチベーションを向上させる機能」を挙げていますが、上位者の意向に沿う者は評価し報酬を与えることでモチベーションをあげさせようとしていると考えられます。
 しかし一方で本社は「適切な人件費管理」を期待していることから、上位者の意向に沿う全ての者に報酬を与えることは有り得ません。逆に上位者の意向に沿わない者の報酬を下げることを正当化するツールとして勤務評定は使われることになります。
 「働かない者の給与は下げるべき」と考える人もいますが、そもそも賃金とは「労働力の対価」であって、成果によって支払われるものではありません。働かない者がいるならば、上司が指導すればよいわけで、不満の矛先を労働者に向けさせ、賃金抑制させることが真のねらいです。

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