機関紙「日赤労働者」

勤務評定反対、働くルールの確立のため組織拡大強化を!!
全日赤第76回定期全国大会議案(抜粋)

 全日赤第76回定期全国大会は、7月9日(土)から10日(日)にかけて、医療労働会館での集合とオンラインを併用して開催されます。各単組へは既に招請状を送付し、議案書も単組の必要部数を送付しますが、ここに大会議案の概要を掲載し、議案討議を呼びかけます。

はじめに

 2021年度は、「Rプラン」とのたたかいにおいて、日赤内3組合の共闘態勢が進みました。「共同声明」を発出し、それにより実施時期を遅らせるなど改悪提案を一定押し戻すことができました。賃金改定については、2023年4月1日実施で合意しましたが、全日赤は勤務評定の導入は認めず、引き続き廃止を求めていきます。
 また、コロナ禍が続くなかで、医労連に結集し運動することで政府に看護師等処遇改善交付金の措置を取らせるなどの成果につながりました。
 一方で、オンラインによる学習会動画の配信や本社要請行動など新しい運動スタイルも定着しつつありますが、集会等の自粛が続くなかで、従来の運動が展開できず新職員歓迎等の組織拡大にも影響がでています。

勤務評定は実施させない

 勤務評定が本格的に実施されればチームワークを乱し安全で安心できる医療・看護・福祉を脅かすものであり、勤務評定を廃止するまで全日赤の総力をあげてたたかいます。
 具体的にシリーズビラやポスター等により「勤務評定反対」の院内世論を高めながら施設からの本社への上申を追及します。また4月から開始した「勤務評定の中止を求める職員・家族署名」の取り組みを引き続き強化し、11月上旬での提出を目指します。

新賃金移行のルール化を

 来年4月1日実施の新賃金への切り替えについては、グレード(等級)の決定は施設長が決めることになっています。これでは施設長の恣意的判断となりかねないので一定のルールが必要です。全日赤は新賃金への移行に関する要求を提出し本社を追及してきましたが、定期大会で改めて統一要求を練り上げ、スト権を確立したうえで8月中旬に本社提出を予定します。そして、2022年賃金確定闘争と併せて、8月末にストライキを配置した団体交渉を申し入れます。

働きつづけられる賃金を

 新賃金制度では、今までの枠外昇給が廃止されるので、グレードが上がらない(昇級しない)と中高年以上で賃金が上がらない仕組みとなります。
 G/P2までの昇格については、交渉で経験年数を加味することを確認しましたが、G/P3以上については、役職者相当となり限られた者しか賃金が上がりません。全日赤は経験年数を評価し賃金が上がる制度を要求し追及していきます。
 また併せてベースアップや最高号俸の延長など俸給表の改善も追及します。

一時金闘争

 一時金闘争の基本的なたたかい方は、次のとおりです。また年度統一要求に「基本額」要求を盛り込み本社追及をおこないます。
(1)春闘時期に、本部本社間の交渉により一時金の「基本額(最低保障額)」として年間の支給月数等を決定します。
(2)夏期交渉時期に、単組施設間の交渉により上積み部分の「加算額」を決定し、夏の「基本額」(年間の2分の1)と併せた施設一時金を確定します。
(3)秋年末交渉時期に、単組施設間の交渉により上積み部分の「加算額」を決定し、年末の「基本額」(年間の2分の1)と併せた施設一時金を確定します。
(4)一時金の加算措置については、2022年度は現行の矛盾点(加算対象者の勤続年数の違いや加算率の違い)を改善します。2023年度以降は加算措置が廃止されるので、その財源を全ての職員に配分する「一律の支給」を追及します。

サービス残業は一掃

 労基法に定められた36協定の上限規制を守らせる運動を締結時および締結後も追及します。また厚労省が出した「労働時間の適正把握のガイドライン」を活用し、始業前の情報収集や会議・研修が業務であることの確認を迫るとともに、「不適切事例」を用いた指導強化を追及します。
 併せて職場では「ガイドライン」の内容を学習しながら時間外手当請求運動を増員闘争と位置づけ取り組みを強化します。

労働者代表を勝ち取る

 使用者は36協定を結ばずに時間外労働をさせると労基法違反となり罰せられます。そこで、過半数を組織していない単組の施設では、使用者側が組合以外の労働者代表を選出して、施設側に都合の良い36協定を結ぼうとする動きがあります。
 単組では、全日赤の「労働者代表のてびき」や「36協定のてびき」を活用し、労基法違反の追及と労働者代表の民主的選出を追及するとともに、労働者代表を獲得するため奮闘します。

年休取得促進

 年次有給休暇(以下、年休)の付与基準日に10日以上の年休が与えられる労働者に対して、使用者が1年間に5日は時季を指定して年休を取得させることが義務化されています。年休および権利休暇の取得は増員闘争と位置づけ追及を強めます。
 全日赤では、引き続き「消える年休救出プロジェクト」の取り組みを強化し、取得促進を追及します。
 また本社が管理者向けに発出した『労務管理ハンドブック』にも記載されている年休に対する「あげる・いただく」の風潮を無くしながら、請求運動を展開し年休取得促進を図ります。

育児休業

 2021年6月1日に育児介護休業法が改正をされ、この改正に伴い2022年4月から3段階にわけ施行されます。この法改正に伴う日赤の育児休業規定の改正も提案されています。2022年4月1日施行において、有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件(引き続き雇用された期間が1年以上の場合を撤廃)が緩和されましたが、日赤は従来の労使協定を生かして、引き続き適用除外としており改善を求めています。
 また2022年10月1日施行に伴う日赤規定の改定提案がなされており、定期大会で対応について決定します。

非正規の処遇改善

 2020年4月よりパートタイム有期雇用労働法が施行され、正規と非正規労働者の間の不合理な待遇格差が禁止され、処遇格差是正が少しずつ前進しています。
 最高裁判決で不支給が不合理とされた「住居手当」「扶養手当」など支給されるよう処遇改善を追及します。

良い看護のために増員を

 患者・利用者が良い看護を受けることができ、私たちが働き続けることのできる勤務態勢を確立するためには増員が不可欠です。そのためにも、各勤務の人数や有給休暇も含めた休日の消化、スタッフの急な休みに対するフォロー体制も含めた職場ごとの必要人数をだし、具体的な増員要求をおこないます。

夜勤改善の実現

 夜勤が及ぼす労働者への有害性と同時に、患者・利用者への安全への影響もアピールし、夜勤改善の世論を広げながら、労働条件の改善と労働の質の向上に向けて、「労働時間を週32時間以内」や「夜勤のための勤務免除など実質的な時短」や「インターバルの確保」など夜勤改善と「夜勤回数は月6日(当面8日)」の夜勤協定の締結にむけ奮闘します。
 勤務間隔や交替の方向(正循環・逆循環)、夜勤後の休息にも注目し夜勤点検をおこないます。

とり戻そう看護のこころ

 看護とは、「息をする、食べる、眠る、トイレに行く、体をきれいにする」など他人がこれを代行できない営みの援助をすることです。今こそ、看護の原点に返る必要があります。「患者にとって良い看護とは何か」を追求していきます。看護師に特定行為を強要しないこと等を施設に要求します。また看護師と看護助手の「協働」に向けて業務区分の検討を進めます。

安全で安心できる医療・看護・介護・福祉の実現を

 ①憲法25条の形骸化を許さず、社会保障の削減から拡充への転換を迫る運動をすすめます。
 ②医療・介護の保険外しに反対し、患者・利用者の自己負担軽減とあわせ、診療報酬・介護報酬引き上げと処遇改善を求める取り組みを進めます。
 ③医療提供体制の縮小再編成、「地域医療計画」、「医療費適正化計画」などによる実態を無視した病床削減に反対し、住民本位の保健・医療・介護・福祉のネットワークの確立をめざす運動に取り組みます。
 ④国・自治体・公的病院の統廃合・民間移譲に反対し、国の責任による地域医療の拡充をめざす運動に取り組みます。

全日赤の組織をさらに大きく強く発展させよう

 2019年度第2回中央委員会にて策定した「第7次組織拡大強化4ヵ年計画」は、2023年の定期大会までに7800名達成を目指すものです。目標達成にむけて組織拡大推進委員会)を設置し、各地方協・各単組の組織拡大強化の取り組みを推進します。
 毎月16日の「賃金支払日行動」や秋・春の「わくわくの日」1日行動など組織拡大強化の取り組み集中日として結集します。

闘争日程について

 定期大会で決定した2022年度統一要求に対するスト権は、通信投票により確立し、要求提出は8月19日を予定します。そして回答指定日は、8月30日とし、翌日には統一ストライキを構えて、新賃金への移行に関する要求実現を追及します。
 また9月中旬と11月初旬にもストライキを配置した団交を予定します。

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