機関紙「日赤労働者」
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戦後80年を迎えた。被団協がノーベル平和賞を受賞したこともあり、平和について考える機会の多い年であった。外務省のHPには、「日本には、唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向け国際社会の取組をリードしていく責務があります。」と記載がある。全くもってその通りである。しかし、先の参院選では、核武装を訴える者もいた。時代は変わってしまったのか▼映画『長崎―閃光の影で―』を鑑賞した。長崎に原爆が投下された直後、懸命に救護にあたった看護女学生たちを描いた作品だ。彼女たちは、戸惑い、不安、恐怖などの感情を抱え、治療に奔走していた。救える人よりも亡くなる人が多いという現実で彼女たちは、心を痛めていた▼核保有国であるイスラエルやロシアが今も、中東やウクライナで戦闘をしている。彼らがその発射ボタンを押さないと誰が断言できるだろうか▼「みんな、忘れていくとやろか」劇中の女学生のセリフである。みんなが忘れれば無かったことになる。核武装を求める政治家が現れたことは、そういうことなのかもしれない。そんな日本に、80年前と同じことが起きないと言えるだろうか。非核三原則が軽んじられつつある今、私たちは、長崎・広島で起きたことを伝え続けなければならない。「忘れる」ことが決してないように。
(Ys)

