機関紙「日赤労働者」

視座
健やかな看護のため夜勤規制と大幅増員

 24時間365日の医療・介護を支えるため夜勤労働は必須だが、夜勤者の健康が削り取られている現実は看過できない。

 体内時計を乱す夜勤の有害性は、睡眠障害や心疾患、発がん性のリスクとして科学的に証明されている。かつて過労死認定の壁を破ったのは、夜勤の「質的な過酷さ」だった。疲弊した体での勤務は医療事故にも直結する。今や夜勤改善は、国民の命を守るための社会課題である。

 全日赤は、月6日の夜勤制限(当面8日)や勤務間インターバルの確保、そして大幅な増員を求めている。本社は「施設ごとに状況が違う」と渋るが、命の重さに差があってはならない。現在、医労連が取り組む「夜勤規制と大幅増員国会請願署名」を積み上げ、国会議員に提出することで政治を動かし法整備をめざしている。署名を推進するためにも、夜勤の有害性の学習と自ら声を上げていくことが必要である。

 夜明けを待つ患者の傍らで夜勤者もまた健やかに働ける明日を待っている。その夜明けを私たちの運動で引き寄せたい。

TOP