機関紙「日赤労働者」
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春の宵、永田町の夜空に幾千もの光が揺れていた4月8日。国会議事堂の前を埋め尽くしたのは、切実な願いを抱えた人々の静かなる熱気である。老若男女が肩を並べ、それぞれの手に握られたペンライトが、色とりどりの星屑となって闇を穿っていた▼「平和憲法を守れ」。この「緊急アクション」には、デモとは無縁だった人々も多く混じっていた。一人ひとりの「自分にできること」を繋いだリレーが、全国百カ所を超える街々で共鳴し、数万人のうねりとなった。私もその輪に身を投じると、不思議な高揚感に包まれ、見知らぬ誰かと光を振り、思いを共にする。その連帯の心地よさは、民主主義の鼓動そのものであった▼思えば、赤十字の祖デュナンがソルフェリーノで説いたのは、敵味方の区別なき「人道」の精神である。戦争という究極の非人道を拒み、生命の尊厳を最優先する理念は、平和憲法が目指す地平と重なり合う。戦禍の悲惨さを知る赤十字の精神こそ、時代が揺らぐ今、私たちが立ち返るべき「心の砦」だろう▼市民主導の「DIY」で灯された光は、重なれば闇を払う力となる。全国を貫いた光の連帯を、決して途絶えさせてはならない。未来に穏やかな空を手渡すこと。それこそが、今を生きる我われの責務である。(Ig)

