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機関紙「日赤労働者」

集まれば楽しく元気になる青年部活動

写真
写真は中四国地方協青年部のうどんツアー

 全日赤の運動の歴史の中でも青年部の存在は大きな位置を占めています。若い組合員が青年部を通し、仲間の存在の大切さや組合活動の意義を知り、活動の幅を広げ経験を積み、年を重ねれば組合役員へとなっていく―。現在、全日赤の単組では、若いころに青年部を経験した団塊の世代が精力的に活動する一方、青年部や若い組合員の活動が停滞しているところも少なくありません。
 そんな情勢の中、中四国の松江単組を皮切りに青年部が大きく躍進しようとしています。また、関東の医療センター単組では乳児院の若い保育士さんなどの加入が相次ぎ、歓迎会が開催されました。今回、青年部の活動を積極的に行い組織化にも大きくつなげている、中四国・松江単組と関東・医療センターの取り組みを取材しました。

松江単組のとりくみって

 松江単組青年部は現在、対象組合員二〇〇名以上のうち、青年部独自のML(メーリングリスト)加入者は八〇名に上ります。九割が女性で男性は一〇名程。青年部で企画を立てると毎回二〇名〜三〇名参加があるとのこと。企画のペースは決めていないが季節に1回ぐらい。青年執行委員を中心に若いメンバーが話し合い、飲み会、鍋など企画しやすく、人集まりやすいことを提案しています。1回の参加費はあまり高くしないようにし、お店も三千円飲み放題など、安めのお店をセレクトしている。
 企画が決まるとビラと申込用紙を作る。ビラは組合掲示板へ貼り、参加用紙も置いて、掲示板脇に回収BOXを置く。こうするのは声をかけていない人からの申込が入っていたりするから。日程などが決まっていればMLで流し、嫌がられない程度に何回か流すそうです。
 参加者を増やすのに大切なのが最終的な出欠確認の作業。初めて参加するとなると来にくいので、先輩や友達と来てもらう。参加人数が増えれば病院の中での知り合いも増えて知らない部署の人と話ができるし、日常仕事をしていく上でも顔を知っていると話しやすい。参加して楽しければまた参加してくれる。いい人間関係でいい仕事ができているようです。

青年部活動の始まりは

 青年部の中心メンバーの一人、野津敦子さん(看護師)はこういいます。
「青年部と関わり、いろんな病棟で知り合いが増えた。企画のお誘いでは後輩から後輩へと誘うから輪が広がっていく。最初は(ナースウェーブ、定期大会等)参加するだけだったけど、そのうち企画に携わるようになりました」。
写真 松江単組青年部・山城圭進さん(放射線技師)は青年部立ち上げの経緯をこう話してくれました。
 「もともと松江単組には青年部らしいものはありませんでした。青年が集まって何かする環境がなかったんです。それがたまたま昼ご飯を別の組合員と一緒に組合事務所で食べるようになって。その後中四国地方協青年集会を松江で、『なんかやってみんか』と委員長の笠原さんに言われ、仲の良い青年執行委員3人で隠岐の島へ行くツアーを企画しました」。
 「その前に青年部結成飲み会を企画して、隠岐の島の下見も7人集めて行きました。隠岐の島では、それまで若い組合員が集まる場所が無かったし、半ばコンパのようでした。知らない人と一杯しゃべれ、面白かった。大変だったので、その後大きな企画はしばらくやめようと思ったけれど、結局秋に鍋をしたり、貸し切り一万円で借りれるコテージに泊まりに行ったり、参加が結構あるので次々と計画する羽目になり、参加者にも喜んでもらえました。子供連れOKにしたら子供だらけになったりして」。

青年のとりくみが組合活動の活性化に

 企画の参加人数も、活動も活発になっているが、悩みもある。「毎回参加できる人、出来ない人がいる。企画も遊び中心で、遊んでばっかりと言われないようにしたい。全員に宣伝するとか、組合ニュースに載せてもらうとか、いつも同じ顔ぶれだけにならないようにしていきたい。今後は青年部独自の規約や承認された委員を選出したり、役員をつくっていきたい。とにかく途切れずに継続した運動にしたい。そのためにも後継者を育てないと」と山城さん。
写真 活動を続けていくのに年配の組合役員との関係について聞いたところ、全く悩みは持っていないといいます。「親組合も凄く協力的でのびのびさせてもらっている。悩みも聞いてもらえるし話しやすい。青年部が元気だと組合が元気になると言われているし、何か困ったらすぐに相談できる。良好な関係」
野津さんも「組合活動があって、次に役員との関係があるんじゃなくて、役員と仲良くなんでも話せる関係があって、組合活動があったから信頼関係が築けている。なので(活動に)あまり抵抗が無いんです。悩みが無い」

先輩役員はどう感じている?

 親組合の役員は青年部が活発になっているのをどう思っているのだろうか。松江単組書記長・西尾糸子さんは青年組合員と向き合うのにこう話しています。
  「若い組合員にははじめ、医労連や全日赤の行動に連れて行きます。その後は報告書(感想文)を書いてもらっています。活動に参加した後には、何かしら労働組合の意義を感じて帰ってきます。でも何もしないと忘れてしまうし、日当(組合費から)を出しているので必ず書いてもらうことにしています。アフターフォローが大切。ただ単に、『東京に行けるし行っておいで』だけではダメ。ちゃんと何かをつかんで帰って来てもらえるようにしている」

居心地の良い組合事務所に

 松江ではいつも冷凍庫にアイスクリームを沢山常備していて、部屋はいつでも空いていて休憩できます。息をつかせるたまり場のようにする。書記さんがいていつでも話を聞いてくれる。そして運動は青年に押しつけるのではなく一緒に考える。青年独自の企画をたててもらう時でも、青年に何かしてと押しつけるのではなく、また、これをしてと請け負わせるのでもなく「何をするのが良いかな」「どうしたらいいかな」と相談に乗り互いに助けあい、一緒に考えることが大切だと思います。青年の対策は「任せる」「助ける」「一緒に悩む」を丁寧に実践していくこと。そうすれば、労働組合のおもしろさも大切さも、意義も必ず学んで身につけてくれるのではないでしょうか。

医療センターの青年部は

 十一月下旬、都内恵比寿駅近くのインド創作料理屋にて、日赤医療センター第一労組の新入組合員歓迎会が行われました。ここ数ヵ月で若い職員の組合加入が相次ぎ、青年部活性化の兆しが見えています。青年部の活動をどのように展開し、どう感じているか、青年部長・伊藤絹江さんにお話を伺いました。
  「私は十年くらい前から青年部に関わりだしました。最初は秋のハイキングや職場で青年を対象に『働きがいアンケート』を実施し、アンケート結果に基づいて外部から講師を呼んでシリーズで『青年とは何か』『働きがいとは何か』という企画をしました。非組の方も参加してくれました。私自身はリブ・ヤング(全日赤青年集会)に参加し、全国の仲間と出会え楽しいと感じました。全国の組合員は皆、同じことで悩んでいたり、人生や恋愛の話で語り合えることが重要だと思いました。青年部に関わりだして、若い人が組合に入ってくれるとうれしいです。でも停滞している時や、執行委員会で報告が出来ない時は辛く感じたりもします。でも組合員が増えてくれると、あんなこともしたいと活動への意欲が沸きます」

メーリングリストの活用

 「活動で工夫しているのは今年の2月から組合員同士のMLを作ったこと。お食事会のお誘いなどを流すが、その文の最後に政治情勢などの情報を載せて送る。MLを使っていて凄く良かったのが、読んだ休職中の組合員さんが『メールを読んでいると病院とつながっているように思う。いつも励まされる。居場所があるんだと思える』と言ってくれたこと。心の拠り所としての青年部活動をしたい」
写真 青年部の活動への不安や親組合への要望はありますかとの質問に、「今、青年部は予算が付いていないので予算を付けて欲しい。リブ・ヤングへの参加など部分補助となっている。もし予算が出ればグッズをみんなで作って販売したり、平和の取り組みや活動の幅も広がる」
 ここ数ヶ月で乳児院の方で数名、組合加入がありました。保育士さんで、日赤の職場に入って半年くらいの若者です。勧誘をした副委員長の伊藤栄江さんは若い人を組合へどうやって勧誘しているのだろうか。
 「誘う時にこれと言って何か言うわけではないですよ。普段、仕事をしている時から気遣いややさしさを持って接しています。自身がお手本にならなきゃと組合活動も堂々とする。機会があれば飲みに誘って、医療や保育の向上のためにもあなたが必要だと話す。それまでの信頼関係があるから信頼して、安心してなんでも話してくれて素直に組合に入ってくれる。古い人はなかなか話しても入ってくれないが、若い子はすんなりと受け止めてくれる」

誘われなきゃ…誰に言えばいいか分かりませんね

 伊藤栄江さんに勧誘され、加入した人にも話を聞くことができました。
 最近組合に加入したばかりの保育士さんは、「もともと組合には全員が入るものだと思っていた。いつ誘われるんだろうと思っていたので、たまたま組合のアンケートをとっているのを見て話をして、誘われたので入った。誘われなかったら…(加入を)誰に言えばいいか分かりませんね」
 今年2月に加入した嘱託職員さんは、「私は中途採用だったので職場で心細かった。職場を良くしたいのと、つながりを作りたいと思い入りました。全日赤の中央委員会に出て、組合用語が飛び交いさっぱり分からなかったけど、興味のある他の福祉施設に組合があると分かって良かった」

組合の大きい、小さいではなくて日常のつながり

 全日赤の単組では青年活動が困難なところも多いのが現状です。組織化、日常活動は大変だと受け止められやすいですが、松江、医療センターは、無理をせず楽しく活動しています。
 若い組合員・職員はなかなか接触しづらい存在であるように思われがちですが、若いからこそ人と人との繋がりや組合活動の重要性を大切にする大きな感受性をもっているように思います。取材の中で青年部や若い組合員を大切に感じているのは、当事者である若い組合員だけでなく、自身も楽しみながら企画に参加する組合役員の姿でした。メーリングリストやちょっとした協力で青年はもとより、組合役員の若者を見る視点も考えも変わっていきます。「ともに成長すること」は労働組合が持っている大きな意義の一つではないでしょうか。

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