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機関紙「日赤労働者」

国家公務員の一時金削減に抗議。 今こそ本社に対して人勧準拠反対を!

麻生政権の「人気取り」で公務員の一時金凍結へ

 今年、民間の夏季一時金が大幅に減少しているとして、人事院が緊急調査を実施し、国家公務員の夏季一時金を引き下げる特別措置の勧告を五月一日に行いました。勧告の内容は、一時金の引き下げを年末一時金で行うと大きな減額が予想されるので、暫定的な措置として夏季一時金の月数の一部を凍結するとして、一般職員(国家公務員)で現行二・一五ヶ月の月数を〇・二ヶ月凍結し、夏季一時金は一・九五ヶ月とするよう勧告しています。また、この勧告は暫定措置であり、凍結した月数の取り扱いは、従来の調査の結果をみて勧告するものとしています。今後、民間の夏季一時金が増えるようであれば年末一時金で調整するし、民間との格差が一層広がるようであれば、凍結した以上の月数の削減を勧告する可能性を示したものです。
 日赤本社は、人事院勧告に準拠する方針をとっており、本社の一時金を引き下げる可能性は十分予測されます。本社は二〇〇三年に一時金を社長決定することを提案しましたが、単組交渉権の確保と月例賃金の減額分を遡及調整しようとしたため、全日赤は反対し継続交渉の状態が続いています。よって一時金の決定権は施設長にあります。しかし本社が決定した一時金の月数が施設決定を統制している現状にあり、全日赤本部は医労連と共に一時金を削減しないよう本社に申し入れました。日赤の経営者は、世間ばかり気にするのではなく、現場職員の働きがいに応えるべきです。年次有給休暇もなかなか取れない、サービス残業も後を絶たない状況を放置しておきながら、一時金も削るなど許せるものではありません。
 今こそ「人事院勧告準拠反対」および一時金の大幅獲得を本部・単組が一丸となって追及する必要があります。

全日赤はなぜ、「人勧準拠」に反対するか

 私たちは「人勧準拠」に反対です。理由はいくつかありますが、人事院と日赤労働者との間には、雇用関係がないので交渉権はありません。最も重要な労働条件である賃金(一時金含め)について、人勧準拠で決定することは、その点において団体交渉を放棄するものであり、労働条件の労使対等決定原則(労基法第2条)に反するものです。そもそも、日赤労働者の処遇にふさわしくなく、民間である私たちが公務員に準拠するいわれは全くありません。
 公務員賃金は、年金水準や生活保護基準等の社会保障給付の基準、各種補助金での人件費の算定基礎等となっており、それこそ数千万人の国民の生活に直接、間接の影響を及ぼすものです。人事院自らも少なくとも「七五〇万人の労働者の賃金に直接的に影響する」ことを認めています。
 特に、社会福祉労働者の賃金財源のベースである措置費や運営費、介護報酬、さらには支援費等も、いずれもその算定の基礎を公務員賃金に置いています。また、多くの民間の医療や福祉職場では、公務員の俸給表を実際の賃金基準に使っている実状もあります。
 こうした構造を通じて、人事院勧告は間接的に影響を受けるとされる年金受給者など、三、五〇〇万人以上の国民生活にいっそうの困難を押しつけるものです。

地方経済にも悪影響〜ちぐはぐな政策

 特に今年の場合、この前倒し削減には見過ごせない問題があります。民間の夏季一時金落ち込みで消費低迷に拍車がかかるところを、公務員の一時金で多少なりとも底支えすることが期待されていました。内需拡大はG20(主要国金融サミット)での国際公約であり、日本政府も補正予算で一五兆円もの経済対策を決めたばかりです。国をあげて内需主導経済への転換をめざし、消費を活性化させることが大きな課題になっています。
 さらに内閣府が二〇日発表した数字は衝撃的です。今年一ー三月期のGDPは前期比四・〇%減、年率換算では一五・二%減となり、二期連続で戦後最悪を更新しました。
 流通・小売業界には夏のボーナス商戦への期待があります。日本の「消費」は今年二月時点で前年同月比五・八%も落ち込んでいる。小売業販売額も一・七%の落ち込み。その時に下支え役の公務員夏季一時金を前倒しまでして削る必要がどこにあるのでしょうか。このことが民間企業の一時金減額につながり、さらに年末一時金にまで連鎖することになります。
 日本の公務員は、一部の霞ヶ関官僚はともかく、その多くは地方で働き生活しており、今回の減額は地方経済にも大きな影響を与えます。地方経済の再生は待ったなしの緊急課題であり、今やるべきことは官も民も、賃金を引き上げることではないでしょうか。

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