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機関紙「日赤労働者」

住民とともに地域医療を守って 長野 全日赤川西単組 後方支援病院の役割担う

 皆さん、明けましておめでとうございます。
 今、全国的には超過密労働の中で、地域医療も懸命に支えている長野県の川西単組の取り組みを紹介します。川西赤十字病院は、当初長野県の4カ町村保険組合で運営していましたが、望月町が佐久市と合併になり、今は佐久市、東御市、立科町で建物の半分の費用を今も受けています。日赤本社からは赤字指定を受け、平成23年度までに経営改善を求められています。
 今回のインタビューは昨年まで執行委員長であった滝沢亜矢さん(現アドバイザー)と、本年1月1日から執行委員長となった楜沢(くるみさわ)みどりさんにお話を聞きました。

―川西赤十字病院が地域に果たしている役割を聞かせて下さい。

 滝沢さん 当院は佐久地域の西部地区にある病院で、一般病48床、療養36床、合計84床です。近くには総合病院もいくつかあります。
 二次救急で救急搬送された患者さんは当院で受けられる方は入院となりますが、それ以上の治療が必要な患者さんは近くの佐久総合病院等へ搬送します。そして、その患者さんも様態が落ち着いたら当院へ転送されることもあります。後方支援病院として頑張っています。また、往診や訪問看護もしています。

―川西の病院経営が厳しくなったのは、いつからでしょうか。

 楜沢さん 10数年前から大変になっていると聞いていますが、最近指定病院となって、職員全体で経営改善のための案を検討しいます。しかしなんといっても、医師の確保が一番です。

 滝沢さん 内科医が非常勤だけれど増えました。すぐにその効果は出ていませんが、しかし患者様確保に向け新たな取り組みとして隣の立科町で、老・老で住まわれている方を対象に病院への送迎が始まっています。

―労働組合としては、何か提言をしてきましたか。

 滝沢さん 地域に必要とされるには、住民の声をよく聞いてほしい、住民とよく話をしてほしいと常々言い続けてきました。

―ここに住民アンケートがありますが。

 滝沢さん 9月11日に病院が主催した「病院祭」の参加者のアンケートです。「あなたにとっての川西赤十字病院とは」の問いに103名の回答者から、「絶対に必要」68票(66%)、「あると便利」28票(27%)、「利用していない」7票(7%)の結果で、励ましの言葉として受け止めています。また、「当院に必要な科は」の問いには、現状の4科(内科・外科・整形外科・眼科)のほかに、希望する科として「耳鼻科」「皮膚科」でした。今後もより良い病院づくりをしなければなりません。

グラフ


―10月17日には「地域医療の充実をめざして」と題し、地域の労働組合が主催したシンポジュウムを行ったと聞いています。

 滝沢さん 「川西地域医療懇談会」が主催し、150名参加してくれました。
 懇話会の主な構成団体は、全日赤川西単組、長厚労小諸支部・佐久支部と浅間病院労組です。この取り組みがきっかけで、県医労連にも加盟することになりました。いろんな情報を得るにも、横のつながりは大事と感じています。

―川西赤十字病院の大内院長が出席されましたね。

 滝沢さん 私たちは院長先生に現場や住民の声を聞いてほしい、体感してほしいと声をお掛けしたところ、ひとつ返事で引き受けて下さいました。ほかの公的病院や開業医の院長や副院長先生方が、シンポジストとして参加してくれています。

―シンポジウムの感想をお聞かせください。

 楜沢さん 経営が大変な中でも、川西赤十字病院は必要だとの声を聞くことが出来て、よい機会がもてたと心から思っています。
 その後の朝礼で院長先生は、「シンポジウムに参加してきた。この病院を必要としてくれていることがよく感じることが出来たてよかった」と職員に言ってくれました。期待されているし、なくてはならない病院だと私たちも確信を持てました。

―この間、労働組合として取り組んできたことは…。

 滝沢さん 川西地域懇談会の取り組みを職員に知ってもらったり、地域にチラシを持って行って案内したりしてきました。
 また、病院を取り巻く情勢をつかみ、それをみんなに返していけるように努力をしているところです。そして、川西病院の状況も、懇話会のメンバーにも伝えて、意見交換もしています。

―今後の課題は?

 楜沢さん このシンポジウムのような取り組みが病院主催でできれば、もっと良いのにとの話もあります。今回「懇談会」をきっかけとしたけど、病院が自ら住民の声を聞く場を持つような取り組みを、労働組合としても呼びかけるのを課題としたいと思います。そして、住民との信頼を築いてこそ、地域に必要とされる病院づくりになると思っています。

―長時間となりましたが、住民や働く者にとって良い病院となりますように、本年が良い年となりますように精いっぱい頑張りましょう。ありがとうございました。



地域医療の充実めざして

川西地域医療懇談会 シンポに150人

 2010年10月17日(日)に、シンポジウム「地域医療の充実をめざして」〜病院も町のお医者さんもみんな大事〜と題して開催されました。地域から150名が参加していただきました。その要旨を紹介します。

◇    ◇

 川西地域は、佐久市に合併された旧望月町・旧浅科村と立科町を中心とした地域で、この地域で唯一の病院として「川西赤十字病院」があります。病院は5年前から赤字経営となり、3年をめどに「経営改善」の指定を日赤本社から受けています。また、高齢化が進む地域として、川西地域の医療供給体制の充実が課題となっています。
 そこで、数年前から活動を続けている「佐久地域医療懇話会」が、全日赤川西単組を中心に川西地域での医療懇談会を準備し、開催の運びとなりました。
 「川西地域医療懇談会」の構成は、全日赤川西労組、長厚労小諸支部、長厚労佐久支部、浅間病院労組、自治労連佐久市役所支部の5団体です。

医師の働く環境の改善と川西赤十字病院の必要性

 岡田・医院院長先生からは、「毎日診療する患者さんの半数は、70歳以上の方。この地域は、「社会的入院」の必要な方がいる。そんなときは、佐久病院、浅間病院、小諸厚生病院に頼めないので、川西赤十字病院だけが頼り」と強調されました。
 伊藤・佐久市議会議員からは、「佐久市のめざす『世界最高健康都市の構築』の紹介と地域完結型の医療をめざす中での川西赤十字病院の必要性」が強調されました。
 田中・JA女性会からは、「地域で生活する住民が、この地域で生活し、いのちを全うするためにも川西赤十字病院が必要」と訴えられました。
 大内・川西赤十字病院院長からは、「川西赤十字病院の成り立ちと現在の診療内容を紹介。そして、地域の一般病院の役割を担う病院として、開業医との連携を強めながら、経営改善に努力し、住民の鍛えに応えたい」と発言しました。

川西赤十字病院の存続の可能性

 会場から、「川西赤十字病院の赤字解消のための見通し」「具体的な対策、住民が出来ることは何か」と質問が出されました。
 大内院長は、「3年間での改善は難しいが、日赤本社から『経営改善指定病院』と指導されているが、改善されていないとしてすぐに閉鎖されることはない」しかし、「なるべく多くの方に受診していただけるよう努力している」「自治体からの支援があれば、存続の可能性は大いにある」と答えられました。
 参加者からは、「『療養病床』が少ない佐久地域では、川西赤十字病院の療養病床の価値は非常に高いと思う」「川西赤十字病院を守るために、みんなが出来ることを具体化し、実践することが必要だと思う」などの意見が出されました。

信頼関係が必要

 さらに、「病院と患者・地域住民がお互いに『ものが言える』関係をつくり、相互の『信頼関係』をつくることが必要」との発言が相次ぎました。
 さらなる「信頼関係」つくりのために、「地域医療懇談会」を継続することが呼びかけられました。

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