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機関紙「日赤労働者」

2012年度
賃金改定に妥結・調印

 全日赤は、2012年度賃金改定について第67回定期全国大会の決定に基づき、全日赤中央闘争委員会の責任において、12月12日の本部本社間団交での到達点をもって妥結することを決定し、確認書、覚書、交渉議事録等を含め賃金協定を一部改正する協定に調印しました。協定の概要は、前歴換算の端数処理改善、条件付で調理師の5級昇格です。また全社的福利厚生の補助事業廃止に関する協定も調印しました。

交渉経過について

 政府が国家公務員賃金の平均7・88%引き下げを強行するなかで、8月8日(水)に人事院は、公務が民間より下回っているという官民較差を確認していながら、それを無視し「俸給表」の比較のみで月例給および一時金とも改定を見送ることとに加え50歳代後半層の給与を抑制するため昇給・昇格制度を見直すことも勧告しました。
 全日赤は定期大会で、新たな「賃金・一時金の大幅改善を求める」職員・家族署名に取り組むことを決めました。最終約1万2000筆を集約するとともに本社への要請FAXを集中させ、本社要請行動など現場の声を届けながら4回の団交を行い、本社から第3次回答まで引き出しました。
[第1次回答]
 8月30日(木)の団交にて本社は、「人事院勧告では(1)俸給表の改定なし、(2)50歳代後半の賃金抑制に関する昇給・昇格制度の見直しとなっており、世間の動向および独自の交渉経過を踏まえたうえで、日赤の給与改定は行わない」と回答しました。
[第2次回答]
 10月4日(木)の団交で、本社は全日赤の要求に一定応じるかたちで、(1)前歴換算の端数処理の改善、(2)調理師の昇格改善第2次回答を提示しました。併せて全社的福利厚生の補助事業廃止を提案してきました。
[第3次回答]
 秋年末統一要求の回答指定日の前々日(11月5日)の団交でも賃上げを追及しましたが、賃金交渉での前進回答は得られませんでした。粘り強く追及するなか12月12日(水)団交にて、5局長通知が出されるなかで看護師確保の観点からも夜勤改善と併せて、賃上げ要求が強いことからも賃上げは必要であるとの全日赤の追及に対して、本社は「看護師確保の努力はしている。賃金改善に関する要求も踏まえて具体的な協議を行いたい」との姿勢を示しました。
 また、全社的福利厚生の補助事業廃止に関する経過措置も回答しました。

前歴換算の端数処理改善

 前歴換算の端数処理については、全日赤の統一要求に応える形で、従来経験年数は1年未満を切り捨てていたものを経験年数3カ月毎に1号俸上位とするように改善させ、かつ日赤で働いていた者との均衡が保てるようにするとともに、年度途中の採用者は採用直後の昇級時に調整することとしました。

調理師の昇格改善

 本社は「一般職(二)のなかで、ボイラーおよび電気については、資格によって5級に格付けているが、調理に関してはなかったので、給食用特殊専門調理師の資格によって5級への道を開きたい」と回答し、全日赤は、前進回答であると評価しつつも、現行制度におけるボイラー技士や電気主任技術者に対する5級への道の厳しさがあり、協定もしていないなか今回の調理師と併せて改善する必要があると考え、確認書と併せて全日赤の主張を盛り込んだ交渉議事録を結びました。

看護師の賃金改善の協議を約束

 2011年6月に厚生労働省の5局が連盟で発した「看護師等の『雇用の質』の向上のための取り組みについて」(5局長通知)では、「看護師等について、夜勤を含む交代制勤務等により、厳しい勤務環境に置かれている」「看護師等が健康で安心して働ける環境を整備することは喫緊の課題」であるとし、行政のみならず使用者にも改善を求めています。全日赤は夜勤改善と併せ看護師確保の観点からも賃上げは必要であることを追及し、「看護師確保の努力はしている。賃金改善に関する要求も踏まえて具体的な協議を行いたい」と本社姿勢を示せと迫りました。

全社的福利厚生の補助事業廃止に経過措置とらせる

 全社的福利厚生の補助事業廃止提案に対して、全日赤は「緊急アンケート」を実施し利用に関する調査も行いました。この調査では、制度の周知徹底がなされていない事実が明確になるとともに、補助事業を希望する職員が少なくない数いることが判明しました。
 しかし各事業に対する積極性は施設によってバラツキがあり、本社を説得できる材料とはなり得ませんでした。そのなかでも全日赤のねばり強い追及によって、経過措置をとらせることと併せて、引き続き全社的福利厚生事業の充実にむけて協議する確認と施設での補助事業実施も可能であることを確認することができました。
 (1) 高齢者等介護補助事業については、2013年3月末までに平成25年度のサービス利用を申込み、4月15日までに「領収書及び補助金申請書」が提出されたものについては、給付の対象とするというもので、現行制度の「介護サービスを受けた場合」であったものを「平成25年度のサービスを受ける場合」を対象とするものです。この経過措置により廃止後1年間のサービスも手続きをすることで補助金が給付されます。ただし補助金は仮払いとして給付されますので、サービスを受けなかった場合や職員が退職した場合には返金を求められます。
 (2) 自己啓発補助事業については、2013年3月末までに平成25年度分の講座利用を申込み、4月15日までに「領収書及び補助金申請書」が提出されたものについては給付の対象とするというもので、現行制度の「対象講座で今年度内に終了したもの」であったものを「対象講座で平成24年度までに申し込んだもの」を対象とするものです。この経過措置により廃止後の講座であっても手続きを行うことで補助金が給付されます。ただし補助金は仮払いとして給付されますので、講座を終了しなかった場合や職員が退職した場合には、返金を求められます。

人勧準拠反対でも一歩前進

 日赤本社は、人事院勧告に準拠することを基本方針としていますが、公務員でない日赤の賃金は、自主交渉で決定すべきであり、全日赤は人勧準拠反対の方針を一貫して貫き、長年にわたり賃上げ交渉を行ってきました。たたかいの到達点は、団体交渉の中で「人勧準拠」を持ち出すことはなくなりましたが、「世間並み」を強調するようになり、「世間並みを計る指標として人事院勧告がある」として、回答を引き延ばしています。全日赤のたたかいは、これを打ち破るまでには達していないのが現状です。しかし今回「現給保障の維持」や「50歳代後半の賃金抑制なし」など人事院勧告より有利な措置をとらせ、「経験年数の端数処理改善」や「調理師の5級への道をひらく」など日赤独自の改善を行わせることを勝ち取りました。

今春闘でベア獲得を   

 中央闘争委員会では、本社回答および闘争の到達点などを総合的に判断し、賃上げを行わないことは極めて不満ではあるものの、現段階での本社回答で妥結し2012年度賃金交渉を終結して団交で確認された具体的協議に力を注ぐこととしました。また全社的福利厚生の補助事業廃止提案についても、本社の「協定破棄」も辞さない動きがあるなかで、今後、協定を活かして全社的福利厚生の充実に向けた協議を行うことが、今後の改善につなげられると判断しました。

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