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春闘学習会「憲法と労働法制」
東京法律事務所長谷川悠美 弁護士

2月5日の春闘学習会で、東京法律事務所の長谷川悠美弁護士より「憲法と労働法制」の講演をおこなっていただきました。講演の要旨を紹介します。

平和憲法と医療労働者

 はじめに、戦時における医療労働者の史実を書籍『戦争と看護婦』から、戦地では救護班は前線の兵站病院まで配属され、敵中に取り残され、衛生部員も武器を取って抗戦したり自決したりしたこと、国内では日赤病院も空襲の標的になったこと、医療を支えたのは看護学生だったことなどが紹介されました。
 次に、憲法前文には(1)平和主義のための「国民主権」、(2)平和的生存権の確認、(3)(社会学的)積極的平和主義が書かれていることが紹介され、安倍首相の言う攻撃してくる所を武力で制圧する「積極的平和主義」は、憲法と違っています。また、戦争放棄・戦力の不保持と交戦権の否認の憲法9条では個別的自衛権(他国から攻撃を受けた時に自国を守る権利)は認められているが、2014年7月に解釈改憲され集団的自衛権(同盟国が攻撃されそうな時戦闘に加担すること)を認め(日本弁護士会は違憲であると表明)、2015年9月には、集団的自衛権の具体化として安保関連法制が成立しました。また、自民党の憲法草案の、「自衛隊」が「国防軍」になることで無制限な軍事拡大につながることや緊急事態条項を悪用すれば政府が独裁政治をおこなう危険が指摘されました。歴史からも医療は軍事利用される仕組みができあがっていることに危機感を感じました。

「働き方改革」と長時間労働規制

 「ニッポン一億総活躍プラン」における「働き方改革」の(1)同一労働同一賃金の実現など非正規雇用の待遇改善、(2)長時間労働の是正、(3)高齢者の就労促進、の3点に注目。
 安倍政権がおこなってきたことは、労働者の権利が保障されない派遣労働を企業が継続的に利用できる労働者派遣法大改悪を強行(2015年)し、さらに長時間労働を促進する労働時間規制適用除外制度を新設し裁量労働制を拡大する「残業代ゼロ法案」の成立を狙っています。しかし、4野党が長時間労働の是正のために時間外労働の上限規制とインターバル規制を盛り込んだ労働法制改正法案を衆議院に共同提出したことが紹介されました。
 安倍政権は政権維持や持続安定社会維持のために非正規雇用や長時間労働を放置できなくなってきたことから「働き方プラン」を打ち出さざるを得なかったこの状況は、労働者の賃金・労働条件の向上に向けたチャンスであるともいえます。労働組合ができることは36協定を締結すること、36協定の遵守状況を使用者側に報告させること、36協定が遵守できる人員配置をおこなわせることです。

 参加者からは、「36協定で急患対応のためと特別条項が盛り込まれている」や「高度プロフェッショナルの対象職種に医師や看護師は含まれるのか」「サービス残業が横行している中、長時間労働の実態は是正されるのか」「違法な長時間労働の企業名の公表はどのようにおこなわれるのか」「戦争反対の主張は赤十字の中立性を損なうのか」など質問がだされ、それぞれ「36協定も特別条項も労使合意による。病院における急患対応は特別な事態にあたらない」「高プロの対象職種は省令で定めることになっており広がる可能性がある」「罰則がないため厚労省の通達も強制力はない」「企業から労基署に報告することになっている。労働者も申告できる」「戦争に反対することは中立性を害するものでないが政治的中立を問題にしているのではないか」と、答えていただきました。

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