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機関紙「日赤労働者」

2018年度賃金交渉
年度内賃上げで自主決着・調印

 2018年度賃金交渉において、全日赤はストライキを背景に交渉した結果、「賃上げなし」の本社姿勢を変えさせ、11月27日の団交で「2019年3月から平均900円(0・24%)の賃上げを実施する」との回答を引き出しました。
 全日赤中央闘争委員会の責任において妥結を決定し、1月29日に賃金協定の一部改正協定に調印しました。

交渉経過について

 2018年度の賃金交渉は、春闘段階で「連合がベア要求2%程度」や「安倍首相が3%の賃上げを経団連に要請した」「経団連が5年連続の賃上げを会員企業に呼びかけベアと定昇併せて3%引上げを求める方針」などの報道がなされるなかで始まりました。全日赤は、本俸一律2万8000円(体系是正を合わせて4万円以上)の賃上げ要求をはじめとする春闘統一要求書を2月28日(水)に提出し、回答指定日の前日3月13日(火)に本社団交をおこない、回答を求めました。
 本社は昨年と同様に初回団交より「日赤の決算見込みは赤字となりそうで、非常に厳しい状況」と経営状況の悪化を強調してきました。
 4月24日(火)の団交では、労災病院が自主決着したことを追及した結果、本社は「賃上げについて世間は賃上げ動向にあることは承知しており、同業他社の動向も注視しながら検討を加えていく」との姿勢を示しました。

本社、赤字を強調

 6月29日(金)に開催した「経営説明団交」の概要は、「きわめて厳しい経営状況が続いているものの改善傾向にある」というものでしたが、一般会計では会費(社費)収入の減少、福祉施設は「他施設より人件費率が高い」、血液事業は「黒字幅が減少、収益漸減が予想されるなか、経費・材料費・人件費の低減が必要」、医療施設では「自己資本率の減少や人件費率が高い」ことが強調されました。

本社、ベア人勧に倣わず「賃上げなし」を示唆

 その後8月10日(金)に5年連続の引上げとなる人事院勧告が出され、例年、本社が回答をおこなう8月31日(金)の団交において、本社は「今の段階では賃上げなしも視野にいれて検討せざるを得ない状況である。上半期の財政状況を見て判断したいので、今日は回答を保留する」と昨年より後退した内容を含みながら賃金回答をおこないませんでした。併せて、本社は「賃下げの提案をしているわけではない」と発言していることから、不利益不遡及を考えなくてよいので回答を引き延ばす可能性も見受けられました。

中労委のあっせんを意思統一

 10月8日(月・祝)から9日(火)にかけて開催した単組・地方協拡大代表者会議にて、次回団交での回答が「納得できない内容」であれば、回答指定日翌日の11月8日(木)に抗議のストライキを実施するとともに、中労委への「あっせん申請」をおこなうことを意思統一しました。
 また9日午後からの本社要請行動では、17単組33名が参加し職場の実態を突きつけながら賃上げおよび賃金労働条件の改善を追及し、次回団交で誠意ある回答をおこなうよう要請しました。しかし11月6日(火)の団交では、「上半期の分析が出来ておらず11月下旬まで待ってほしい」と回答をまた保留しました。

異例のスト態勢にて本社追及

 本社が、期日を示して回答を保留したことから、この時点であっせん申請したとしても中労委からは「次回団交回答を見てから判断するよう」に指摘されることから中央闘争委員会では、あっせん申請を延期し次回団交を設定することとしました。
 団交が11月27日(火)に決定したのが6日前の21日でしたが、団交翌日の28日(水)に「通常日勤帯の1時間ストライキ」態勢を確立し、施設に通告することを指示しました。結果、12単組が例年にない時期でのストライキを構え、本社追及の力強い背景となりました。

年度内での賃上げで自主決着

 11月27日の団交で、本社は「上半期の経営状況は、非常に厳しい。将来の各事業を取り巻く環境、将来の各事業を取り巻く環境のなかで今後改善を図っていくためにも職員のモチベーション維持も大事で有り、安定した労使関係の維持等総合的に勘案して、これまでと同様に世間並みの職員処遇をおこなうこととして当該年度内に給与改定をおこない、遡及はしないものとする」と回答しました。
 全日赤は「4月遡及でないのは残念であるが、経営が厳しいなか賃上げ回答をおこなったことは評価できる。また実施時期に関しても、昨年と同様であるのは、同業他社の状況からも合意できるものと判断する」と妥結の意思を表明しました。

5年連続のベア獲得

 俸給表の改定は、一般職(一)の初任給を1500円引き上げ、若年層については1000円程度改善し、その他については400円引き上げ、すべての号俸で改善となっています。そして医療職(三)の看護師では1700円、福祉職では1600円の初任給引上げとなっています。また看護職については各号俸の引き上げ幅も一般職より若干の上乗せとなっています。
 日赤職員6万4740人に当てはめた平均改定額は改定率平均818円(0・22%)のベースアップとなっています。諸手当込みで900円(0・24%)、定期昇給込みで6034円(1・62%)の改定となります。実施時期は、4月遡及はせず2019年3月からとなります。
 諸手当の改定では、医師確保手当の定額部分の支給限度を現行より500円引き上げて、41万4800円となります。

公認心理師の格付け本社提案で合意

 11月6日の団体交渉において、本社より公認心理師の初任給格付けと昇格基準についての提案がありました。
 従来からの臨床心理士は、国家資格ではなく日本臨床心理士資格認定協会が認定する民間資格で、臨床心理士養成に関する協会が指定する大学院修士課程を終了後に協会の試験を受けて資格取得となるものです。日赤では国に準じて「心理判定員」の任用資格として大学4卒として位置づけてきました。
 この度、心理系の国家資格として「公認心理師」が、2018年12月1日より誕生しました。大学で基礎心理学を履修した上で、大学院での専門科目の修了、あるいは大学卒業後、施設などでの実務教育が受験資格として課せられています。
 今回の本社提案の医療職(二)2級17号俸は、本社初任給格付基準では大学4卒より8号俸上位に該当し、大学院卒を認めた形になっていますが、本社は大学6卒として位置づけています。
 本社提案の内容については合意できるものであると判断し、11月27日の団体交渉で合意の意思表示をしました。

初任給決定は施設長

 しかし「初任給標準格付基準」については、賃金協定第8で規定している「初任給は施設の権限を有する者が決定する」ことを阻害するものであるとして全日赤は認めていませんので、給与要綱を改定することに合意したことになります。全日赤との協定としては、折衝段階で説明していた、「大学4卒の8号俸上位となる」ことを「覚書」として確認するよう追及しましたが、本社は「あくまでも『初任給標準格付基準を医療職(二)2級17号俸とする』ことが提案内容であり、『大学4卒の8号俸上位』を提案していない」と拒否したので、双方の主張点を「交渉議事録」として取り交わすことになりました。また、協定している「賃金協定」と「昇格基準に関する協定」の一部改正する協定を調印しました。

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